京都嵯峨野、町並み保存館の隣にある「パーシモン」は、1900年代前半のアールデコ時代のアンティークを扱う町家風の“西洋骨董アンティークショップ”だ。店内に所狭しと並ぶノスタルジックなアンティークを眺めていると、まるで海外の蚤の市を体験している気分になれそうな同店の店長、永井 歌代さんにお話を伺った。
−お店のコンセプトを教えてください
主として1900年代前半のアールデコ時代のアンティークを扱う町家風の“西洋骨董アンティークショップ”です。陶器、ガラス、アクセサリー、人形など色々なものを取り扱っており、「良いものを安く」をモットーに、お客様のご要望に迅速にお応えすることを心掛けています。
−お客さんはどのような方が多いでしょうか
世代を問わず、アンティークが好きな方がほとんどです。単にインテリアとしてご購入されるお客様と、コレクションとして集められているお客様がいらっしゃいます。お得意様からお目当ての商品に関してのご要望を伺うこともあり、買い付けの際に、そのご要望に沿って購入することもあります。
−「アールデコ時代のアンティーク」は一般的にどのような特徴があるのですか
アールデコ時代とは1900年代前半に流行したデザイン様式で、従来の曲線的アールヌーボー様式から直線的デザインへの転換期に当たります。特にフランスではアールデコデザインに和風の絵柄が取り入れられ“ジャポニズム”と呼ばれていました。
−どのくらいの頻度で、海外への買い付けをされているのでしょうか
買い付けは、年に2~3回程出かけます。主にイギリスがメインですが、フランス、アメリカへ足を運ぶこともあります。ちなみに今回は、ドイツ、イギリスへ15日間出かけて先日帰国したばかりです。アンティークモール、アンティークショップや蚤の市をめぐり、沢山の商品を買い付けて、日本に別便で送ります。
−お店で取り扱う商品を選ぶ際に、特にこだわっている点などがあれば教えてください
今まで見た事も無いようなものや、ずっと探していたものが見つかるようなお店にしたいと思っています。例えば、アールデコ時代に販売された香水瓶やイギリスの産業革命時代に使われた工具類などは日本に無いものです。また、当時日本から輸出されたオールドノリタケなどはヨーロッパでしか手に入らないものです。このように、当店では出来る限りレアな物を見つけて販売しています。
−アールデコ時代のアンティークとは、どんな所が魅力だと思いますか
アールデコ時代は産業革命の時代と重なり、デザインも革新的でした。日本で言えば昭和10年~20年代のモダンガールが代表的です。ノスタルジアを感じられると共に、いつまでも変わらぬ最先端のデザインが日常生活を魅力的にしてくれるのではないかと思います。
−お店の運営で大切にしていることはどんな点でしょうか
お客様に安心してご購入いただけけるような“信頼出来る店”であり続けることを何よりも大切にしています。そのため、仕入れに関しては、常に海外で買い付けをし、良いものを安く提供することを心掛けています。また、京都の風光明媚な場所に店があることも当店の魅力だと思いますので、これからも、この店の雰囲気を大切にしていきたいと思っています。
−最後に、これから初めてお店を利用してみたいと思っている方に伝えたいことはありますか
当店のある町並み保存地区は、秋の紅葉、春の桜の時期が観光シーズンで、見所も沢山あります。嵯峨野散策を兼ねて京都でアンティークをお楽しみください。それまで興味が無かった人でも、思わぬところでお気に入りの商品に出会い、アンティークファンになられた方もいらっしゃいます。現代でも斬新さを感じられるような魅力的なデザインが色々と発見できますので、お部屋のインテリアなどに、是非アンティーク商品を取り入れてみていただければと思います。