新品と中古の両方を扱い、豊富な商品を取り揃える「カメラ専門店 Map Camera」。お客さんからの千の問いに答える“千問店”として、初心者からステップアップしたい中級者、プロのカメラマンまで、様々なお客さんが訪ねる。カメラの魅力を「変わらず人の隣にある存在」と語る店長・三瓶翔太郎さんにお話を伺った。
−こちらのお店のコンセプトについて教えてください
当店は、新品・中古のカメラ、交換レンズや、カメラ関連商品をインターネットと店舗で買取・販売する日本最大級のカメラ専門店です。カメラ専門店としてお客様の千の問いに応えられる“カメラ千問店”となるべく、スタッフは日々商品知識の習得と研鑽に励んでいます。カタログやサイトの情報だけでは得られない「生きた知識」をご提供できるように、お客様とのコミュニケーションは欠かしません。お客様にご満足いただけるよう、最適な商品をご案内いたします。
−Map cameraの特色や強みを教えてください
カメラ・交換レンズを、減額なくECサイトでの表示価格そのままで買い取る「ワンプライス買取」を実施しています。インターネットでの販売に力を入れており、新品・中古合わせて常時1万7千点以上の商品をお買い求めいただけます。また、店頭ではほぼ全てのカメラ・交換レンズを気軽に試していただけます。地下にはライカ直営店の「ライカブティック MapCamera Shinjuku」を構え世界中のお客様をお迎えしております。フォトプレビューサイトやカメラ愛好家が集うSNSなども運営しておりまして、お客様への情報発信にも取り組んでいます。新品・中古を両方取り扱っているので、最新のものから半世紀以上も前のカメラ・レンズまで幅広い選択肢で商品をお選び頂けます。
−半世紀以上のカメラと今のカメラではどう違うのですか
この半世紀の間には、フィルムからデジタルへという大きな変化がありました。プリントするまで結果が分からないフィルムカメラと、すぐにその場で撮影した結果が分かるデジタルカメラでは大きく性質が異なります。といっても、フィルム時代のレンズをデジタルカメラで利用することもできますし、中判フィルム(大きめのフィルム)を用いる「中判カメラ」は、デジタルバックと呼ばれるアイテムをフィルムの代わりに装着することで、デジタルカメラに変身させることもできます。どんな種類のカメラでも、写真を「撮る」という行為を目的にしているのは同じ。「機材を選ぶ楽しみ」もまた、カメラの楽しみのひとつです。
−カメラのメーカーは多数ありますが、特徴は大きく異なるものなのでしょうか?
初心者からプロのカメラマンまで幅広いユーザーに支持されるCanonと、質実剛健なものづくりに定評のあるNikonは、カメラ界の双璧をなす老舗2大ブランドです。またSONYはミラーレスデジタルカメラの風雲児として名を馳せていますし、OLYMPUSはフイルムカメラの時代から小型で高性能なカメラづくりにこだわっていたりと、メーカーによって様々な違いがありますね。レンズ交換式のカメラであれば、選ぶメーカーによってレンズの選択肢も変わってきます。個々に好みがあると思いますので、それを見極め、ご案内するのも我々スタッフの腕の見せ所です。
−カメラ初心者向けにおすすめの機材があれば教えてください。
入門機と呼ばれる初心者向けのカメラを各メーカーが出しています。具体名を挙げると、CanonのKissシリーズなどが分かりやすいと思います。現行のCanon EOS Kiss X8iは小型・軽量で、初心者の方はもちろん、女性も気軽にお使い頂けるカメラです。2400万画素の高画質で、入門機といえども性能は充分。高速のオートフォーカスで、動きの速い被写体の撮影もストレスなくお楽しみ頂けます。モニターがタッチパネルなので、モニターにタッチして直感的にシャッターを切ることもできます。さらに初心者の方にも安心な「シーンインテリジェントオートモード」にすれば、撮影シーンに合わせた最適な設定をカメラが自動判別、被写体を見つけてシャッターを切るだけできれいな一眼写真を撮影できます。カメラの経験が増えてきたらご自身なりの設定で撮影するというステップアップも楽しめる扱いやすい機種です。
−お店で扱われている商品で、珍しいものはありますか?
中古も取り扱っているので流動性がありますが、いま在庫のある商品の中で珍しいものといえば、なんといってもLeica M9 チタンセット 111/500です。このモデルは世界限定500台という珍しいデジタルカメラです。外装はチタン無垢材を削り出して作られています。独特なデザインはフォルクスワーゲングループのデザイン責任者であるWalter de’Silva(ワルテル・デ・シルヴァ)氏の手によるものです。外装デザインの変更に留めた限定モデルは多く存在していますが、このファインダーの改良なども加えられている「M9 Titan」はその希少性と美しい佇まいで、Leicaユーザーの憧れの的なんですよ。
−古いカメラやレンズだからこそ、撮れるものはあるのでしょうか?
古いカメラやレンズを使うということは、現代にいながらその当時の技術の最先端に触れているということになります。昔のレンズを使えば、その時代に生まれたそのカメラ、その機種にしか出せない"味"を楽しむことができます。柔らかい写りであったり、色のにじみであったり、カメラやレンズの歴史を体で感じることができるのです。カメラ好きの方は、そうした奥深いレンズの魅力を「レンズ沼」という言葉で表現しています(笑)。昔のレンズ、いわゆる「オールドレンズ」のファンは若い方にも多いですよ。
−携帯と一眼カメラでは大きく写真が違うのでしょうか
携帯カメラでの撮影も手軽で良いのですが、やはりデジタル一眼カメラでの撮影を体験してほしいですね。暗い場所や夜景も、デジタル一眼カメラならばきれいに撮影できますし、携帯付属のカメラよりも様々な表現を楽しめます。子どもやペットなど動く被写体も、ぐっと寄ってみたり、角度を変えてみたり、背景をぼかしてみたりと、工夫次第で魅力的な表情を写し取れます。もう一つ足りないと感じていた、携帯やスマホでの撮影からのステップアップのお手伝いをさせて頂きます。
−お店の運営で大切にしていることはどんな点でしょうか?
初心者の方からハイアマチュアやプロの方まですべてのお客様にご満足いただける店舗運営を心がけています。カメラが本当に好きなスタッフが集まって運営しているので、カメラ好きなお客様と同じ視点で、同じ熱量を持って機材選びをお手伝いさせて頂きます。お客様に気軽にご利用、ご相談して頂ける親しみやすい「カメラ千問店」でありたいと思っています。
−お客さんには、お店でどのような体験をしてほしいとお考えですか
専門店というイメージが先行し、敷居が高いと思われているかもしれませんが、これからカメラを始めたい!というお客様こそ、当店をご利用頂きたいと考えています。撮影から編集、プリントまでの一連の流れを楽しめる体験フロアも5階にありますので、「カメラってこんなに楽しいものなんだな」という感動を当店で味わっていただきたいです。
−お客さんとの印象的なエピソードがあれば、教えてください
あるお客様が初めてご来店され、お手持ちの一眼カメラからのステップアップのご相談をいただいたときのことです。お話を伺ううちに、そのお客様には別のメーカーの、ワンランク上の機種が最適だと気づきました。その場でご提案して機材をお試し頂き、「これだ!」というお声を聞いた時には、心の中でガッツポーズをしてしまいました。お客様からは「ここまで真剣に考えてくれたお店はなかった!」と大変嬉しいお言葉を頂戴いたしました。その後も、更に高みを目指した機材の入れ替えの際には当店を利用して下さっています。お客様の機材の変遷を見届けられることは、販売員冥利に尽きますね。
−最後に、三瓶さんにとって「カメラの魅力」とはなんでしょうか?
私にとってのカメラの魅力は、様々な一面を持ちながらも「変わらず人々の隣にあり続ける存在」であるところです。手にする人により、同じカメラでも立ち位置が変わり、表情を変えるのが面白いですね。また、様々なお客様と、私たちを引き合わせてくれるのもカメラです。姿を変えても、時代が変わっても、世界中の方に愛されている、カメラの魅力を是非多くの人に感じてほしいなと思います。