公園散策20年のマイスター直伝!東京公園ガイド - vol.19-

【東京】海賊船にみんなで乗れる大型シーソー!家族で楽しめる砧公園

2016/05/09 12:48

砧公園は「家族で楽しめる公園」をテーマに作られた場所。東半分にはアスレチック広場、野球場、小サッカー場が、西半分には小川が流れる芝生広場が広がっていて、子どもを遊ばせるにもピクニックをするにもぴったりです。成城学園や二子玉川といった住宅街にあり、田園都市線「用賀」駅から徒歩20分。小田急線「千歳船橋」駅や「成城学園前」駅からバスで行くことも可能です。

<砧公園のpoint>
・まずは人気の海賊船に乗ろう。いろいろな遊具にチャレンジできる「アスレチック広場」
・小さなお子さんは幼児向けの丸太アスレチックでアスレチックに初チャレンジしよう
・ベンチは遊具のすぐそばに。「子供の森」は子どもをベンチからのんびり見守れる
・ピクニックは「ファミリーパーク」で。売店に近く賑やかな谷戸川の東側がおすすめ

幼児もチャレンジできる遊具がたくさん!「アスレチック広場」

用賀駅に近い正門から入ったら、「八季の坂路」を通ってアスレチック広場に向かうのがおすすめ。この小道の両側には、さまざまな木や花が四季ならぬ「八季」に分けて植えられていて、いつ訪れてもその季節の花や実が楽しめるよう工夫されています。整備されたゆるやかな坂道は、ベビーカーを押してのんびり歩くのにぴったりの散策路。春は華やかなピンク色と明るい山吹色が出迎えてくれます。

「八季の坂路」の先にあるのが、アスレチック広場。小道の途中にあるバラ園から、たくさんの子どもたちが遊ぶ様子がよく見えます。レジャーシートを広げてお弁当を食べている人たちも多い、園内で最もにぎわう人気スポットです。

この広場の一番人気は、海賊船。すべり台やはしごが付いている複合遊具です。いつ来ても、目を輝かせた子どもたちでいっぱいです。

すべり台の高さから考えて幼児向けですが、はしごとネットしかないため小さい子は自力ではのぼれず、だいたいのパパやママが抱っこしてサポートしています。

海賊船の横には、一度に何人も乗って遊べる大型シーソー。知らない子も一緒に、みんなで乗ってワイワイするのがたまらなく楽しいようです。

そして、動物をモチーフにしたスプリング遊具。それぞれの間隔が広くとられているので、他の子とぶつかる心配が少なく、安心です。

突起の付いた壁や手すり棒を伝って遊ぶ、ロッククライミングのような雰囲気を楽しめる遊具もあります。地面に足を付かないで最後まで行けるかな?

ゆらゆら揺れる丸太の上を端から端まで歩く遊具はアスレチックでは定番ですが、幼児向けのタイプはあまり見かけません。しっかり固定されていて揺れも少ないので、小さな子もチャレンジできます。最後まで渡り切ったら自信がつくことでしょう。

7才未満の未就学児を対象にした「わくわく広場」もあります。よちよち歩きの子を遊ばせるのは、ちょっと上の子や小学生も一緒の場所だとヒヤッとする場面もあるので、こんなスペースがあると気持ちがラクですよね。

すわって我が子を見守れる、定番遊具がそろう「子供の森」

アスレチック広場の隣にはねむのき広場があり、そこの梅林前ではフリスビーやシャボン玉遊びに興じる人々がいます。ふかふかの草地なので、転ぶのを恐れずに走りまわれます。

園内の売店は充実の品揃え。砧美術館前店と梅園前店、どちらにもボールなどの遊具や菓子類がたくさんあります。梅園前店はたこ焼きがおいしいですよ。

「子供の森」があるのは、芝生広場の向こうにある木立の中。遊具を見つけた途端に、一目散に走り出す男の子がいました。思わず追いかけるパパとママ。子どもはじっとしていられなくなる公園です。広々と明るい芝生とひんやり薄暗い森が、程よいバランスであるのも、砧公園の魅力です。

立派な樹木の間に、ジャングルジムやうんていといった定番の遊具がずらり。夏はひんやりと涼しく、秋は落ち葉とドングリでいっぱい。遊具の近くにベンチがあるのは、見守る親にも嬉しいポイントです。


思い切り高くこいで、見上げる先にあるのは緑の天井。広い空の下のブランコとは、また違った楽しさが味わえます。

幼児用の小さなすべり台も。遊具の中には年季の入ったものもありますが、どれも手入れが行き届いています。

駆けまわっても、寝転がっても快適!「ファミリーパーク」

園内にある世田谷美術館前の売店は、休憩所を併設。生ビールもあり、のんびり談笑している大人たちの姿も目立ちます。美術館にはレストランがありますが、落ち着いた雰囲気の正統派フランス料理店なので、小さな子が一緒なら、食事はお弁当を持参するか売店で購入するのがおすすめです。

西側に広がるファミリーパークは、なだらかな起伏のある芝生と立派な樹林から成る緑豊かな場所。これは、かつてゴルフ場だった名残。木の種類は特に桜が多く、ソメイヨシノやヤマザクラなど約930本の桜が植えられていて、春先には大勢の花見客でにぎわいます。大人も思わず駆け出したくなるような、きれいで広々とした芝生が広がります。

点在する立派な木々が空間を適度に区切って、心地いい広さのスペースがいくつもある雰囲気。日なたと木陰のバランスが抜群です。遊歩道が整備されているので、のんびり散歩をしても気持ちがいいです。

ファミリーパークを横切って二の橋につながる遊歩道の横には、木陰のテーブルとベンチ。サワサワと風が吹き抜ける木々の下でお弁当を食べるもよし、お菓子を広げてティータイムを楽しむのもいいですね。

園内には多摩川の支流の一つ、谷戸川が流れています。園内には5つの橋があり、一番上流には吊り橋が架かっています。

下には石を洗うせせらぎが見えます。うっかり、ここが都内であることを忘れてしまいそう。

はしゃぎたい子どもも、ゆっくりしたい大人も大満足!

きれいに整備されていて、安心して子どもを遊ばせることができるところです。東名高速道路の用賀ICからすぐなので、ドライブで行くのもいいですね。紹介したスポット以外にも、サイクリングコース、カルガモなどさまざまな野鳥を観察窓から見られるバードサンクチュアリなどがあり、親子で思う存分楽しめます。疲れたら、ゆったりと広がる芝生広場でひと休みしてください。

この記事のプレース
砧公園
東京都世田谷区砧公園1-1
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この記事を書いたライター
フリーライター。1976年生まれ。広告制作会社、新聞社等の勤務を経て独立。飲食店取材や街頭インタビューで都内を駆けまわる一方、休日は愛用の一眼レフを手に山や植物公園に出没。公園巡りを始めて20年余。季節ごとの魅力や楽しみ方を知り尽くした「公園マスター」。東京都内の公園はすべて網羅し、公園ごとのオリジナル料理や飲み物、巨木は必ずチェックしている。旅と自然を愛し、ヨーロッパ諸国の他、アラスカやボルネオへの渡航経験がある。主な執筆ジャンルは食、自然、健康など。
<連載> 公園散策20年の公園マイスター直伝!東京公園ガイド