【恵比寿】滋味をテーマに、人と体に優しいイタリアンレストラン

2016/03/08 09:18

恵比寿の落ち着いた街並みの一角にある「Ristoria Girasole」。こだわりのリストランテでありながら、トラットリアのような気軽さを併せ持つ空間で、厳選素材を使用した一期一会のメニューを味わうことができる。「ご来店前よりも1mmでも幸せになってもらいたい」というオーナー・池上敦則さんにお話を聞いた。

リストランテの質とトラットリアの気軽さを併せ持つレストラン

−こちらのお店のコンセプトについて教えてください

当店は、Ristorante(リストランテ)でしか味わえない上質な料理とサービス、空間を提供しつつ、Torattoria(トラットリア)のような気軽さや、優しさを併せ持つ新しいレストランです。いらしたお客様の「ほんの少しの幸せのお手伝い」をできるよう「誠心誠意誠実に」をモットーに、しっかりとお客様へ目や耳、五感全てを向けています。料理・サービスのテーマは「滋味」です。人と体に優しいイタリアンでありたいと思います。

−お店を始められたきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?

生産者の方々が作るモノへの想いを、お客さんにもしっかりと伝えていきたいという気持ちがありました。また、飲食業を働く人間が楽しくやりがいのある仕事にしたいと思ったんです。飲食に関わる者として成長できる環境が必要であると考えまして、「飲食人」を育成していきたいという想いから、お店を始めるに至りました。

−お客様にとって、どのようなお店でありたいですか?

自宅のように安心しくつろいで、美味しい食事ができる場所でありたいと思います。良さをお伝えするには、リラックス状態になって頂くことが大切だと考えています。お店づくりは、店舗設計の段階で設計士に「私はレストランを作りたいのではなく、みんながリラックスできる家を作りたいんだ」という考えを伝えるところから始まりました。レストランという特別な空間でありながら、どこかホッとできる家の雰囲気も取り込んだ内装に仕上げました。そんな空間の中で、しっかりとしたレストランサービスを前提に、リラックスして頂けるよう硬くならないサービスでお迎えさせて頂いております。

「滋味」をテーマに厳選食材だけをつかったメニュー

−食材へのこだわりを教えて下さい

使用する食材はしっかり厳選し、納得のいく料理しかメニューにしておりません。扱う食材は、野菜ソムリエが厳選した野菜、火の国熊本直送絶品馬肉、天然鮮魚です。冷凍、養殖は扱いません。東京ではあまり出回っていない熊本の馬肉業界No.1の業者さんや、根菜類を最低12ヶ月熟成させてから出荷する関西の八百屋さんなど、今までの経験や人脈により普通の飲食店では扱えないような食材を使用し、日本の四季を意識した、一期一会のメニューをお届けしています。

−熟成させた野菜とは、初めて聞きました

適切な温度・湿度管理のもと、熟成させると野菜の余分な水分が抜け、さらにゆっくりと糖が生成されてきます。それにより、野菜自体の旨味・糖分が通常のものよりも凝縮されたものになるのです。しかし、適切な温度・湿度管理をしたからといって全ての野菜が綺麗に熟成するわけではなく、当然腐ってしまうものもあります。ですので、出荷する事ができるものは通常のお野菜より高価な物にはなってしまいます。業者さんの方もかなりのリスクがありますので、こんな事をするところは他にありません。当店がお世話になっている八百屋さんの扱う野菜は、この熟成に耐えられる良質なものであるからこその所業です。

−「滋味」というテーマにもつながっているのですね

そうですね。その時使用する野菜によって調理方法も変えています。「生」、「ボイル」、「焼く」、「グリル」、「ロースト」など、最適な調理方法で1皿に盛り合わせています。1品でも手が過ぎるので、おそらく他のお店では、このやり方はしていないと思いますよ。

−「滋味」がよく表れていると思われるメニューは何ですか?

「厳選野菜のピンツィモーニョ」というメニューは、先ほどご紹介した八百屋さんから届けてもらう野菜のみ使用したメニューです。単純に、野菜本来の味や甘みの凝縮感が非常に強いので余計な調理はいたしません。

熟成させた野菜も味わえる「厳選野菜のピンツィモーニョ」

−その他、お店の人気のメニューを教えて下さい

イタリアンでの扱いは珍しい「馬肉」のメニューは、馬肉本来の旨味や風味が逃がさずお届けしているので、お客様から「今まで食べた馬肉の中で一番おいしい」とお褒めの言葉を多数頂戴しております。また、ディナータイムのパスタ料理は全てがシェフの自家製手打ちパスタです。日本ではほぼ見ない、イタリアの地方郷土パスタなどマニアックなものがあります。珍しいだけでなく、その形状、作り方にも科学的意味があるので、これもまた美味しく召し上がって頂けると思います。

旨味や風味をしっかり閉じ込めた「馬肉」

ワインの品質にもこだわり、休ませてからお店に出す

−飲み物にもこだわりがあれば、教えてください

ワインは私がすべて選び、「そのワインの健全さ」にこだわっています。ワインは、とてもデリケートな飲み物です。ワインにとって良い湿度、温度の中に置いておかなければなりません。そのため、ワインが店舗に届くまでどんな管理をされてきたのかを重要視しています。店舗での管理も徹底的にしています。納品後は、一定期間しっかりと休ませてから、ワインリストに載せています。

−ワインも休ませるのですか?

そうですね。ワインは店舗に納品されるまでの間、色々な温度にさらされ、揺らさられて到着します。店舗に届いたときには疲れちゃってるんです。ワインも人間と一緒で、疲れている状態では、一番良いパフォーマンスは絶対にできません。なので、納品後は店舗で1mmも動かすことなくそれぞれのワインに合った期間、しっかりと休ませています。

信用を生み信頼へと変化させ「安心感」あるレストランにしたい

−ご来店されるお客様は、どのような方が多いですか?

ランチは、近隣の方や近くで働いていらっしゃる30代から40代の方を中心に、男女どちらのお客様にもご来店頂いております。ディナーも、年代や男女比は同じぐらいですが、ビジネスでのご利用、女子会、普段のデートや記念日など多岐にわたるご利用を頂いております。驚くのが、リピート率の高さです。私もこれまで約15年間飲食業に携わってまいりましたが、こんなにリピートして頂けるのは初めてというぐらい、再来店してくださる方が多いです。

−お客様との何かエピソードがありましたら、教えてください

お客様の会話から結婚記念日が近いという情報を得て、こちらの独断で食後のデザートにメッセージを添えてご提供差し上げたことがありました。奥様は涙をこぼして喜んでくださいました。しかし、このような事はジラソーレにとっては当然のことです。つねにお一人お一人にしっかりと目を向け、お客様が無意識に発信している情報をキャッチし、少しでも喜んで頂けることは、可能な限りさせて頂きたいと思っております。

−お客さんには、お店でどんな体験をして欲しいですか?

ただ単純に、ご来店される前より1mmでも幸せになってもらえれば幸いです。私自身が家庭をもったことで、「安心感」ということの大切さを改めて感じました。安心感があると、色んな事がニュートラルになります。この“安心感”をレストランという非日常空間と融合させたら、ご来店されたお客様はもっとハッピーになれるのではないかと考えております。そこにプラスして、我々店舗の人間への信用が生まれ、信頼へと変化させる事ができたなら、これ以上「安心感あるレストラン」はないのではないか、そういう店舗を作っていきたいと思います。

この記事のプレース
Ristoria Girasole
東京都渋谷区恵比寿4-23-12 茗荷原ビル2F
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