公園散策20年のマイスター直伝!東京公園ガイド - vol.21-

【東京】森の中のアスレチックでとことん遊び尽くす!野山北・六道山公園

2016/06/09 09:12

野山北・六道山公園は、狭山丘陵の南西端にある都立公園。広大な敷地の大部分を占める雑木林に加え、田畑、湿地、茅葺屋根の民家など里山の風景が見どころですが、子ども連れには公園東端の「あそびの森」と「冒険の森」もおすすめ。山の斜面に本格的なアスレチック遊具が作られていて、幼児から小学校高学年まで楽しめます。近くには日帰り温泉もあり、家族で休日を過ごすのにぴったりです。

<野山北・六道山公園のpoint>
・「あそびの森」で25個のフィールドアスレチックにチャレンジ!
・「冒険の森」では、高さ約8mのドーナツ型展望デッキで空中散歩を楽しもう
・売店はないので昼食は必ず持参を。ピクニックは「冒険の森」の草原がおすすめ
・めいっぱい遊んだ後は、公園前の日帰り温泉「かたくりの湯」でさっぱりしよう

25の遊具にチャレンジ!山道のアスレチックコース「あそびの森」

「あそびの森」のアスレチックは、番号がふられた遊具がスタートからゴールまで山の中に配置され、順に進むと軽いハイキングコースをめぐれるようになった攻略型のアスレチックコース。入口には注意事項やアスレチックマップ、そして山へといざなう階段が迎えてくれます。

アスレチック遊具は難易度の高いものと低いものがバランスよく配置され、幅広い年齢の子たちが楽しめるよう工夫されています。序盤にあるシーソーのようなアスレチックは、丸太の上を進むと途中で自分の体重で前に傾いて地面に下りられる仕組み。難しそうですが、高さがないので意外と怖くなく、小さな子も上手にクリアしています。

それぞれの遊具にはこの森に住む生き物の名前が付いていて、躍動感あふれる子どもの絵とともに紹介されています。シーソーのような遊具の名は「バッタバッタ」。

「バッタバッタ」の次にある「イタチのおいかけっこ」は、ちょっと難しめ。連なったブランコ状の丸太を渡って前に進むのですが、ゆらゆら揺れてバランスが取りにくい!でも、体重の軽い子は比較的スイスイ渡れるようです。

「キツネのエサさがし」は、いわゆる平均台。いくつか連なっているので、最初から最後まで落ちずに行けるか競うのが楽しいです。これは少し高さがあるので、小さな子には横についてあげましょう。

「サルのとりで」は、ロープで編まれたネットの上や、鎖で吊るされた丸太橋を渡ります。丸太をつかんで揺れを抑えるパパママの姿が目立ちます。

中盤で平坦なところに出ると、場所を取る大型のアスレチック遊具が出てきます。「リスのとりで」は、まるで冒険物語に出て来る見張り台のよう。男の子たちが駆けよっていきます。この辺りにはベンチもあるので、お茶を飲んだりして休憩するのにちょうどいい場所です。

平坦なところにあるアスレチックを攻略したら、再びアップダウンのあるコースへ。足腰は疲れますが、どんどん進む子どもに付き合うパパママにとっては、木陰というだけでありがたいところ。後半も楽しい遊具が盛りだくさん。バネの付いた器具を跳んで渡る「ぴょんぴょんカエル」は、バネの感覚が楽しくて何度も繰り返してしまいます。

「サンショウウオの谷ごえ」は、傾斜を利用して作られたダイナミックな遊具。長さも傾斜もかなりあるので、2段のネットの間をはいつくばって登るのはかなり大変!小学校高学年向けといえるでしょう。

「遊びの森」のハイライトは、「サンショウウオの谷ごえ」のあとに待っている「動物たちの大移動」。これを目当てに公園を訪れる人も多い、一番人気のアスレチック遊具です。いつ来ても行列が絶えません。

その正体は、木々の合間を縫うように伸びる長いすべり台。長いだけではなく、すべりが良くてスピードが出るのが最大の特徴。滴るような緑の中を一気にすべり下りるのは本当に爽快で、やみつきになった子どもたちは何十回でもやりたがります。

山の中の広場!大型のアスレチックと展望デッキが楽しい「冒険の森」

「あそびの森」の隣にある「冒険の森」は、大型アスレチックの遊具が集まった広場。日当たりのいい草地や展望デッキもあり、のんびり過ごせる雰囲気です。

こちらも入口の階段の向こうに遊具が見えるので、子どもたちが喜び勇んで駆けのぼっていきます。

取っ手の付いたのぼり棒、急傾斜の登はん壁など、ワイルドなアスレチックに子どもたちが果敢に挑戦しています。

クモの巣みたいに張り巡らされたネットの上を、ロープにつかまりながら渡ります。網目が大きくて、落ちないように歩くのがけっこう難しい!

手がかり、足がかりのないつるつるの板を、ロープを使ってのぼる遊びも人気です。一生懸命になっている子どもの姿を、パパママがまぶしそうに見つめています。

別の面にはネットが張り巡らされています。目の細かいネットは安定性がよく、隙間から落ちる心配がないので、小さな子も安心して遊ばせることができますね。

丸太から吊るされたターザンロープは幼児に人気。滑車でビューンと移動するわけではなく、ただぶら下がるだけの遊具なのですが、どの子も満足そうな様子で楽しんでいます。

遊具の奥には高さ8m、一周60mの展望デッキがあるので、ぜひ上ってみて。木々の枝葉に触れることができ、風に吹かれてのんびり散歩が楽しめます。

夢中になって遊ぶ子どもたち、豊かに生い茂る雑木林も見渡せます。気持ちがいいので、子どもも喜びますよ。

展望デッキの横にはピクニックにぴったりの草地。園内に売店はないので、お弁当やおやつは持参しましょう。山の中の雑木林なので、レジャーシートやウェットティッシュがあると重宝します。

森の中の大冒険に、子どもたちは大満足!

「あそびの森」と「冒険の森」までは、JR「立川」駅からバスで40分、「横田」バス停から徒歩15分。思う存分体を動かしてアスレチックを満喫したら、ぜひ他のエリアにも足を運んでみてください。春にはカタクリの花、夏はホタルが見られるほか、茶揉みや田植え、稲刈りなど多彩な体験イベントも充実しています。

この記事のプレース
この記事を書いたライター
フリーライター。1976年生まれ。広告制作会社、新聞社等の勤務を経て独立。飲食店取材や街頭インタビューで都内を駆けまわる一方、休日は愛用の一眼レフを手に山や植物公園に出没。公園巡りを始めて20年余。季節ごとの魅力や楽しみ方を知り尽くした「公園マスター」。東京都内の公園はすべて網羅し、公園ごとのオリジナル料理や飲み物、巨木は必ずチェックしている。旅と自然を愛し、ヨーロッパ諸国の他、アラスカやボルネオへの渡航経験がある。主な執筆ジャンルは食、自然、健康など。
<連載> 公園散策20年の公園マイスター直伝!東京公園ガイド