浅草で1967年から営業を続ける老舗ジャズバーがあるという。お店の名は「Jazz Bar Mars」。こじんまりした隠れ家的な店内では、すぐ目の前といってもいいような距離でミュージシャンの生演奏を楽しむことができる。演奏の合間にはお客さんとミュージシャンで会話が弾む。アットホームな雰囲気の心地よさが長く続く秘訣なのだろうか。同店代表の荒井 竜也さんにインタビューした。
−「Jazz Bar Mars」は非常に歴史あるジャズバーだそうですね
1967年、昭和42年の3月1日にオープンしました。40年以上営業を続けさせていただいています。店名のMars(マルス)には2つの意味があり3月にオープンしたことからフランス語で3月という意味のマルス、もう一つはローマ神話の軍神マルス。この場所でお店を続けていくなかで、様々なことから負けずに戦って行こうという2つの意味が込められています。
−お店ではどんな音楽が楽しめるのでしょうか
毎日変わるライブ演奏をお聴きいただけます。ライブ演奏は、20時~、21時30分~、23時~からの3ステージ。ジャズの演奏以外にも、ポップス、クラシック、フラメンコなど様々なジャンルの音楽を楽しめるよう毎日違うミュージシャンによるライブ演奏をおこなっております。
−お店ではお客さんにどんな風に過ごしてほしいですか
ライブ演奏の迫力、素晴らしさを感じてもらい少しでも多くのお客様に感動を届けることが出来ればと考えております。演奏中以外はミュージシャンと語らい、アットホームな雰囲気を楽しんでいただければと思っております。
−アットホームな雰囲気はどのように生まれているのでしょうか
カウンターに7席、テーブルも4つとこじんまりした店内ですのでお客様の目の前での演奏となります。曲のリクエストにも積極的に答えてくれるミュージシャンばかりですので自然とお客様、ミュージシャンとの一体感が生まれアットホームな雰囲気につながっていると思います。
−ミュージシャンとお客さんが直接話されることもあるのですか
常連のお客様の席にはもちもん、初めてご来店のお客様にもご挨拶に伺います。その際質問等があれば気さくに答えてくれますし、自然と会話が弾むことがよくあります。
−お客さんはどういった方が多いのでしょうか
男性のお客様が多かったのが最近ではカップル、また女子会のような雰囲気でご利用になるお客様も増えてきたように思います。年齢層は特に幅広く20代~70代、80代のお客様にもご来店いただいております。ジャズ好きのお客様はもちろんですが、当店で初めてジャズを聴いて興味を持ったというお客様が多いのも特徴です。
−ライブ演奏を聴いたお客さんの反応がありましたら教えてください
以前演奏中に突然涙を流されたお客様がいらっしゃいました。あとからお話を伺うと「あまりの素晴らしさに自然と涙があふれ出した」とおっしゃっていました。その時音楽の持つパワーは物凄いものなんだなと私自身実感しました。