公園散策20年のマイスター直伝!東京公園ガイド - vol.17-

【東京】ハンドル握って運転手気分!乗り物の展示で子どもも楽しめる萩中公園

2016/04/07 09:10

京急空港線「大鳥居」駅から徒歩6分。大田区の萩中公園は、機関車や消防車などの乗り物が展示された「ガラクタ公園」と、信号機や横断歩道付きのコースがある「交通公園」で知られる、乗り物好きの子どもたちに人気のスポットです。展示されている乗り物は、自由に触れて運転席にも乗り込めるのが魅力。乗り物遊びは、車が通らない場所を貸出無料の自転車や三輪車で走るため、気軽に安心して利用できます。

<萩中公園のpoint>
・本物の消防車や電車の車両に乗り込み、運転手気分を味わおう
・三輪車や自転車は無料で貸出し!交通ルールを楽しく学べる
・「ラクガキ広場」でアスファルトに自由にお絵描きができる
・広い砂場で砂遊びに集中できる

運転席に入れる本物の乗り物がいっぱい!「ガラクタ公園」

「ガラクタ公園」の中央には築山遊具があり、その周囲にさまざまな乗り物が並んでいます。ガラクタというネーミングからは想像もできないきれいな保存状態の乗り物ばかり。レトロな雰囲気の立派な機関車は、大正時代に作られたイギリス製の車両で、1960年代まで現役だったものだそう。子どもたちが中をのぞきにやって来る一方で、大人たちは絵になる外観を写真に収めています。


身近な乗り物は、やはり電車。ここに展示されているのは、都内唯一の路面電車である都電荒川線の主力車両として2012年まで都民に親しまれていたもの。子どもたちはみんな運転席にすわりたがり、混んでいる日は順番待ちの列ができていることもあります。


ぜひ子どもたちに乗ってほしいのが、「死角体験トラック」。運転席にすわってみると、すぐ前が見えないことがわかります。言うだけでは伝わらないことは、体験するのが一番ですよね。遊び感覚で大事なことが学べる、貴重なコーナーです。


幼児に人気があるのが、モーターカー。駅構内や工場内で、車両の入れ替えや線路の保守点検などの作業に実際に使われていたものです。小ぶりで地味なのですが、なにか子ども心をくすぐるものがあるようです。


「ガラクタ公園」の中心にある山型の遊具は、常にたくさんの子どもでいっぱい。比較的簡単にのぼれて何度でも挑戦できる、ちょうどいい難易度が人気の秘密。突起の付いたゆるやかな斜面では、小学校低学年でもボルダリング気分が味わえます。


定番のタイヤを使った遊具も人気。てっぺんからは大きな乗り物も見下ろせるので、小さな子は特に気分が上がるみたいです。

ワイドなすべり台は、角度もあって割とスピードが出ます!風を切る感じが楽しいのでしょう。子どもたちは楽しそうにすべってはのぼりを繰り返し、飽きずに遊び続けます。

交通公園① コース走行で楽しく交通ルールを学ぶ

「交通公園」では、自転車、三輪車、足こぎカート、豆自動車など多彩な乗り物が無料で楽しめます。貸し出しているもので遊ぶのが決まりで、持ち込みは不可。信号機や横断歩道があり、楽しみながら自転車の練習ができます。車は通りませんが、信号無視などは公園スタッフの方が注意してくれます。


さまざまな種類の交通標識を示した看板も立っています。1つ1つの意味が分からない子どもにも、たくさんのルールがあることが伝わりますね。


スピードの違いによる接触事故やトラブルを避けるため、補助輪付自転車と補助輪なし自転車の走るコースはきちんと分かれています。補助輪付自転車のコースは見通しがよく、見守りやすい点がママ・パパには高ポイントです。

幼児が三輪車や豆自動車で遊ぶのは、「ラクガキ広場」。補助輪付き自転車のコースにぐるりと囲まれたスペースで、置いてあるチョークでアスファルトに自由に落書きができます。カラフルなりんご形の椅子に腰かけてひと休みできるのもありがたいですね。

補助輪なし自転車のコースに囲まれた丘には動物の置物があり、子どもたちはまたがったり、頭をなでたりして楽しんでいます。

童話をモチーフにしているのでしょうか。レンガ造り風の建物の前には、3匹の子ブタがいます。

芝生の丘以外にもお楽しみスポットは豊富。公園名を表すアルファベットのオブジェも、子どもたちの大好きな遊び場です。

交通公園② 砂遊びや落書きもアスレチックも楽しめる

コースの脇にある広い砂場には、すべり台や突起の付いた2つの築山。間にコードが渡されていて、うんていの要領で吊り輪をつかんで渡れるようになっているのですが、かなり難易度が高そうです。

下の砂場も広く、砂の量も豊富なので、砂遊びが好きな子にもおすすめです。

すぐ近くには、動物のオブジェが点在する砂場もあります。小さな女の子は可愛らしいピンク色のうさぎが気に入ったらしく、うさぎのそばで砂場遊びやおままごとの世界に夢中になっていました。

複合遊具も充実しているので、乗り物遊びに飽きてもたっぷり楽しめます。好奇心でいっぱいの子どもにとっては、ちょっとだけ暗かったり狭かったりするのがワクワク感をそそるのでしょうね。チューブ状のすべり台を見つけるとみんな駆け寄っていきます。

カゴ付きブランコやミニ複合遊具がある幼児向けの遊び場の地面は、弾力のあるゴム製。隣には授乳室やオシメ交換台を備えた休憩室があり、乳幼児を持つパパママに重宝されています。売店はありませんが、休憩室でお弁当を食べるのはOKです。

「ガラクタ公園」や「交通公園」を離れれば、静かなエリアでのんびりすることも可能です。平和都市宣言の塔が建つ芝生広場は、木々に囲まれた気持ちのいい場所。脇には人工の小川が流れ、水遊びも楽しめます。

乗り物好きのちびっ子は大満足

自動車や電車など大人しか運転できない乗り物を疑似体験し、無料で三輪車や自転車の練習が思う存分できる、貴重な場所。売店はないものの、授乳やオシメ替えができるスペースがあるので便利です。園内にはウォータースライダーなど設備の整ったプールもあり、夏場には特に多くの人が訪れます。遠くからでも訪れる価値がありますが、混み合う土日は駐車場が満車のことも。「ガラクタ公園」の開園時間は9:00~17:00、「交通公園」は9:00~16:00。サンダルでは乗り物に乗れないので、履き物に注意して行きましょう。

この記事のプレース
萩中公園
東京都大田区萩中三丁目26番46号
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この記事を書いたライター
フリーライター。1976年生まれ。広告制作会社、新聞社等の勤務を経て独立。飲食店取材や街頭インタビューで都内を駆けまわる一方、休日は愛用の一眼レフを手に山や植物公園に出没。公園巡りを始めて20年余。季節ごとの魅力や楽しみ方を知り尽くした「公園マスター」。東京都内の公園はすべて網羅し、公園ごとのオリジナル料理や飲み物、巨木は必ずチェックしている。旅と自然を愛し、ヨーロッパ諸国の他、アラスカやボルネオへの渡航経験がある。主な執筆ジャンルは食、自然、健康など。
<連載> 公園散策20年の公園マイスター直伝!東京公園ガイド