キャンプ場と自転車貸出所がある「若洲公園」と、大部分をゴルフ場が占める「若洲海浜公園」。隣接する2つの公園の海沿いは往復約6キロのサイクリングロードになっています。都内にありながら、キャンプ、釣り、サイクリングと、アウトドアの楽しみがいっぱいの貴重な場所です。JR京葉線・東京メトロ・りんかい線「新木場」駅からバスで約15分。「若洲キャンプ場前」で降りれば、公園は目の前です。
若洲公園に入ってなにげなく横を見ると、駐車場の向こうに大きな風車を発見。高さ100メートル、羽根の長さ40メートル。江東区が、環境を考えるためのシンボルとして建てた風力発電施設です。常に海風が吹いている湾岸は、風車にはうってつけなのでしょう。
キャンプ場はサービスセンターのすぐ裏手。入り口に売店があり、薪や食料品などを売っています。テントやランタン、コンロや食材などの機材レンタルもできるので便利です。釣り具のレンタルや釣り餌の販売も。
キャンプ場入り口。特別に許可をもらって中に入ります。
平日の14時頃でしたが、夏ということもあってすでにテントがいっぱい。学生たちや家族連れなど、多くの人で賑わっていました。テントサイトにはゴミひとつなく、炊事場も清潔。トイレもたくさんあって、これならストレスなくアウトドアを楽しめそうです。
日帰りは11時~21時まで一人300円、1泊2日は11時~翌10時まで600円。もちろん連泊も可能です。
みんなでわいわいバーベキュー、楽しそうです!
経験者がいればキャンプファイアーも可能。夜も盛り上がること間違いなしですね。
キャンプ場を後にして若洲公園の南端に位置する釣り場へ行ってみると、少年たちが思い思いに釣り糸を垂らしていました。右手に伸びる道の先にはセメント工場が見え、海に浮かぶ工場地帯の景色を眺めることができます。
正面には向こう岸へ伸びる東京ゲートブリッジ。上空は羽田空港に着陸する飛行機の航路になっていて、高度を下げた飛行機を見られるのも楽しみの一つです。セメント会社の大きな船がくぐる様子も見られました。
ゲートブリッジの下を走る堤防を歩いてみました。カタクチイワシやカサゴなどが釣れるようです。自分たちで釣った魚をキャンプ場で焼いて食べるのもいいですね。
堤防の近くには東京ゲートブリッジの遊歩道へ昇るエレベーターがあります。この日はエレベーターが動いていなかったため、泣く泣くゲートブリッジを後にしました。
再びキャンプ場の方へ戻ってきました。サービスセンターの横には、1時間100円で自転車を貸してくれるサイクルセンターがあります。2人横に並んでこぐものや動物をモチーフにしたものなど、サイクル広場内で楽しめる子ども用の変わり自転車もいろいろありました。記者は普通の自転車を借りて、若洲海浜公園の北端にある展望台を目指します。
サイクリングロードを走り抜け、若洲海浜公園側の北端までやって来ました。海風を受けながらのサイクリングは最高です!
展望台の入り口には、錨が飾られていました。
自転車で訪れる人のことを考えてか、展望台へはなだらかな坂になっています。
変わった形をしていて、全体はこのような感じ。展望台といっても高さはなく、海を近くに感じられるように設計されています。屋根の下にはベンチがあって、ゆっくり休むことができます。汗をかいた首すじを海風がなでて、一瞬ひんやりと涼しくなります。
大きなプロペラ音に、びっくりしたように空を見上げる親子。すぐ向こう岸に東京ヘリポートがあるので、ヘリコプターの離着陸を近くで見ることができるのです。飛び立ったヘリコプターがすぐ近くを過ぎていく様子は迫力満点です。
不意に歓声が聞こえて視線をやると、2艇のボートが水しぶきを上げてやってきました。スピードにのって水面を滑るように進む様子は、見ているだけでも爽快です。
海沿いのサイクリング、気持ちよかったです! アップダウンが少なく、1周6キロという距離も運動不足の記者にとって無理のないものでした。天気はあまり良くなかったのですが、視界が開けた海辺のサイクリングには、街中では得られない気持ちよさがありました。
海釣り施設は、釣りをしない人にもおすすめ。昔ながらの工場の風景に、近代的なデザインの東京ゲートブリッジ、低く飛ぶ飛行機など、眺めるだけでもワクワクするような景色があります。
施設やレンタルが充実しているので、「アウトドアを楽しみたいけど不便なのは嫌だ」という人にぴったりの公園です。