「鎌倉」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは鎌倉大仏、という人も多いのではないでしょうか。外国人観光客も多く訪れる、日本を代表する観光名所でもあります。また、花の寺として名高い長谷寺、6月は境内を埋めるアジサイが見事です。
鎌倉駅から江ノ島電鉄に乗って。民家の間近に線路が通る、小さな電車に揺られて3つ目の駅、長谷駅がスタート地点となります。
北へ向かって伸びる大通り、長谷通りを歩いていきましょう。
長谷観音前交差点を左へ。細い路地の奥に長谷寺があります。路地には昔ながらのたたずまいを残す旅館やお店が軒を連ねています。お客さんを乗せた人力車も通ります。
創建は天平8年(736)、鎌倉でも有数の古刹、長谷寺。本尊は、海から流れ着いたという伝説の残る十一面観音菩薩像(長谷観音)で、観音堂に安置されています。
山門をくぐるとすぐに、風情あふれる池が広がる下境内があり、池の周りを散策することができます。花菖蒲や蓮、スイレンなど水辺の植物が見られます。
順路に従って階段を登っていくと、上境内へ。観音堂や鐘楼など歴史のある建物が立ち並び、その先に見晴台があります。見晴台からは鎌倉の海や街並が一望に見渡せます。
1年を通じて花のとぎれることのない花の寺。6月はあじさいが見頃を迎えていました。上境内の傾斜地を利用して作られた眺望散策路は、この時期「アジサイのこみち」となります。
長谷寺をあとにして、鎌倉大仏の高徳院を目指します。長谷通りには飲食店や土産物店など、多くの店が並んでいます。目につくのは「大仏」と「しらす」の文字。大仏はもちろん鎌倉大仏をモチーフにしたグッズですね。
そして江ノ島名物のしらす。
しらす丼などしらすを使った料理が味わえる店も点在しています。
仁王門をくぐるとすぐに大きな大仏が目に入ります。台座を含む高さは13.35m、重量は121トンという巨大な仏像です。建てられた当初はお堂があったそうなのですが、大風や津波などの災害で倒壊し、室町時代頃から建物がない状態と言われています。青空の下、うつむいて目を伏せている大仏さまを見ていると、心が安らかに落ち着いてくるようです。
仏像の中に入ることができるのを知っていましたか? 胎内めぐりといい、入場料と別に料金がかかりますが、仏像の内部の造りを見ることができます。当時、非常に高度な技法で作られていたことがうかがえます。
時間に余裕があればぜひ立ち寄りたいのが鎌倉文学館。鎌倉ゆかりの文学者の直筆の原稿や愛用品などを展示しています。
展示品もすばらしいのですが、建物と庭園の美しさも見どころ。大正時代に建てられた旧前田侯爵家の別邸を文学館として使用しているのです。
庭園にはバラ園があり、春は5月中旬〜6月下旬、秋は10月中旬〜11月下旬に見頃を迎えます。
来た道を戻って長谷駅に向かいます。帰り道、こぢんまりとした風情あふれる庭園にひかれて、収玄寺にちょっとより道。
珍しいアジサイも見られました。
大仏グッズは道沿い、多くのお店で見られました。大仏グッズをメインに扱っているお店も。
せっかくなのでいくつか買ってみました。大仏と江ノ島電鉄をかたどったグミはコーラ味・青リンゴ味の2種類。ソーダ味などもありましたよ。鎌倉旅の記念にいかがでしょう。
1年を通じて、年代を問わず各国から観光客の訪れる、鎌倉の人気スポット。自然の豊かさや歴史を感じさせる寺社の美しさ、日本のよさを改めて感じられる街歩きでした。周辺には成就院や極楽寺、御霊神社などの古刹もあり、江ノ島電鉄を使った寺めぐりも楽しめます。季節を替えて、ぜひ訪れてみてください。