オーガニックライフのはじめ方 -vol.5-

【青山】オーガニックコスメで肌も心も元気になる

2015/11/25 00:00

ここ数年でよく耳にするようになった「オーガニック」。いまやオーガニックライフは特別なものではありません。“おいしく、楽しい”をキーワードにお伝えした連載の最終回は、植物や自然の力を借りてキレイになれるオーガニックコスメをご紹介します。

約1200アイテムが揃うセレクトショップ

オーガニックとは、<有機の>の意味で、通常は農薬や化学肥料を使わず、有機肥料のみによって生産された農作物のこと。オーガニックブームは食品だけに限りません。モデルの愛用品として紹介されるなど、化粧品業界でもオーガニックは注目度を増しています。

海外からの輸入がほとんどだったオーガニックコスメ。以前は自然派志向の中でも知る人ぞ知る存在で、なかなか手にする機会がありませんでした。ところがここ数年のオーガニックブームに伴い、コスメへの注目も急上昇。オーガニックコスメを取り扱うショップが増え、日本人向けの国産ブランドが登場するなど、日本でのオーガニックコスメ事情も盛り上がり続けています。2015年4月にオープンしたナチュラル・オーガニックアイテムのセレクトショップ「BEAUTY LIBRARY」でオーガニックコスメについてうかがいました。





厳しい基準をクリアした“本物”のオーガニックコスメ

オーガニックコスメを中心に扱うBEAUTY LIBRARYは、その名の通り、図書館をイメージしたコンセプトストア。入店した瞬間からさりげなく漂うアロマの香りに、思わずすうっ、と深呼吸。書架のような高い棚にずらりと並ぶオーガニックコスメに囲まれた店内は、ナチュラル感がありながらも凛とした雰囲気です。

「国内外のブランド・メーカーから、オーガニックコスメや食品、生活用品など約1200アイテムを揃えています。さまざまなアイテムを気軽に試していただき、じっくりと選ぶことができる空間づくりを意識しています」(店長・渡邊葉子さん)

ショップを運営するのは、40年の歴史を持つ自然化粧品メーカー、ネイチャーズウェイ。日本でいち早く海外からオーガニックコスメを輸入し、支持されてきました。まだ日本で「自然化粧品」という言葉がなかった時代、「当時はケミカルな化粧品が当たり前。自然(素材)の化粧品なんてないでしょう、と行政機関から言われてしまったのだそうです」。

実は日本でのオーガニックコスメの規定はあいまい。たったの1%でもオーガニック成分が入っていれば「オーガニックコスメ」を謳ってもよいのが現状です。こちらのショップでは、ヨーロッパやアメリカなどの厳しい基準をクリアしたオーガニックコスメや、ショップ独自の成分基準に合致する製品だけを扱っているので安心です。

自然由来だから肌が弱い人にも安心

からだの中でも特に敏感な顔に使う化粧品。お肌に効きそうな有効成分は知っていても、その安全性までは気にしたことはありませんでした。特に口紅は、唇を介して“女性は一生のうちに5~10本分の口紅を食べている”と言われるほど! 1日で使う量は少しでも、毎日の積み重ねで大変な量に……。食べものと同じように、できるだけ安全なものを選びたいところです。

オーガニックコスメは、有機(自然)原料が素材。原料は植物のほか、パックや入浴剤で人気のクレイ(泥)、アイシャドウなどの着色には石や貝などの鉱物が使われています。昔から自然界にある原料を使った自然派コスメは、長い歴史の中でその作用や効果が実証され、肌が弱い人でも安心。それらを無農薬栽培で、添加物を使わずに加工したオーガニックコスメならさらに安心です。

自然素材が持つパワフルな作用も見逃せません

「お肌の悩みやトラブルにピンポイントで効果を出すのが一般的なケミカルコスメなら、オーガニックコスメはお肌全体の力を底上げします。使用される方によってはある程度時間を必要としますが、トラブルが起きない強いお肌に変わっていきますよ。
最近は研究や開発が発達したおかげで、オーガニックコスメはますます進化しています。すぐに変化を実感できるアイテムが増え、普通のコスメと遜色ないと言えるようになりました」

トラブルへの対処療法ではなく、肌そのものの力を高めてくれるオーガニックコスメは、生活習慣やストレスで肌の調子を崩しやすい方におすすめです。

自分が心地よいと感じる香りを選んでみる

自分にあったオーガニックコスメを選ぶポイントはありますか?

「五感を使ってアイテムを選ぶ楽しさです。自分が求める効果効能からチョイスしても構いませんが、“香り”が決め手になって購入する方も多いですよ」

好きだと感じた香りは、その時必要としている作用を持っているとも言われています。ストレスフルな毎日を過ごしているなら、スキンケアアイテムをオーガニックコスメに変えてみて。お肌のケアをしながらアロマセラピー効果で心まで癒されるのを実感できます。オーガニックコスメが毎日の疲れを吹き飛ばし、面倒に感じていたスキンケアの時間が極上のリラックスタイムに! お気に入りのコスメは心の栄養にもなるんですね。

植物の特性をお肌に置き換えた、とても興味深いアイテムも。スイスの有名ブランド「ヴェレダ」は、使われている植物はどんな環境で育っているのか? どんな性質なのか? そこから考察する人智学的な「植物観察」というホリスティック(全体的な)アプローチを用いています。

「アーモンドの実が原料のこのラインは、敏感肌の方におすすめ。堅い殻の中にあるアーモンドの実は、外界の刺激から守るバリア機能を持ち、発芽のための熱を実に蓄えていると考えられます。今話題のアーモンドミルクは、栄養たっぷりのアーモンドを絞ったものなんですよ。肌なじみのよいアーモンドオイルは、デリケートなお肌を守りながらうるおいと栄養を与えてくれます。敏感肌や季節の変わり目などには、ぜひアーモンドの力を借りてみてください」

自然の中でたくましく生きる植物のパワーを借りてキレイになれるなんて、素敵です。本物のアーモンド特有の甘い香りも気に入りました。

「いきなりスキンケアアイテムを変えるのは不安、という方も多いので、初心者の方には肌質を問わないハンドクリームやネイルオイルをおすすめしています。好きな香りを選べばお仕事中にも香りに包まれてハッピーな気分になれるはず」

スタッフのアドバイスでアイテム探し

オーガニックコスメには、原料植物やその栽培方法、製造方法など、商品の背景に膨大なエピソードがあります。パッケージに書いてあるのはほんの一部分。お肌や体調の悩みがあるのなら、ぜひ商品知識豊富なスタッフさんに相談して。スタッフ自身が実際に使ってみた感想や、変化があったお客さんのエピソードをたっぷりと教えてくれますよ。
店頭では、パッケージで伝えきれない情報をタブレット端末で自由に調べられるシステムになっています。詳しい商品情報や使い方はこちらでもチェックできます。

スムージーやジャーサラダでインナービューティー

店内には、「ヘルシーとおいしさの和」をテーマにしたカフェも併設。季節によって変わるオリジナルのスムージーやジャーサラダ、ドリンクを提供しています。旬の野菜を使ったベーシックな「グリーンスムージー」、お酒のような秋冬限定「ドライフルーツのスパイシーワインスムージー」は、赤ワインで煮込んだドライフルーツにスパイスを加えたもの。サラダのドレッシングや調味料にはからだにやさしいものを使っています。

口に入れるものは、化粧品よりダイレクトに変化を感じられます。今話題のスーパーフードやハーブティー、あまり見かけない天然ハーブのサプリメントを、体調に合わせておすすめしてくれることも。その人の不調を全体的に見てアイテムを案内してくれるのは、リアルショップならでは。コスメで外から、食事で中から、相乗効果でキレイと健康をサポートしてくれます。

オーガニックな暮らしをはじめるきっかけに

お店では、オーガニックのメンズコスメやベビー用品も充実。いつも頭を悩ませる出産祝い、口に入れても安心なオーガニックコットン(綿)のベビー小物やボディケアアイテムのギフトセットなら、きっともらった方もうれしいですよね。クリスマスコフレはオーガニックコスメデビューにピッタリ!

全5回にわたってお伝えした「オーガニックライフの始め方」は今回で最終回。丁寧につくられたオーガニックアイテムを使うようになって、最初に感じたのは気持ちの変化です。質のよいものを選ぶと、使うたびに自分も心地よくなれることに気づきました。生産者への感謝や環境問題も今まで以上に身近に感じるようになりましたが、まずは自分が楽しい、うれしい、おいしいと感じるものを選ぶこと。トマトひとつでも、リップクリーム1本でも、オーガニックアイテムを手に取ったときから、あなたのオーガニックライフがはじまるのです。

この記事のプレース
BEAUTY LIBRARY
東京都港区北青山3-12-12 HOLON-R 1F
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この記事を書いたライター
1983年の早生まれ。食・女性の健康・オーガニックをテーマに活動中のフリーライター&編集者。自然療法専門誌の編集部でアロマ、こすめ、占いなどの取材を通じてからだにとい習慣を取り入れるようになる。冷えとり健康法、マクロビオティック歴4年。出没地は表参道、中野、池袋、出身地でもある川越。趣味はプロ野球観戦のために全国の野球場を旅すること。
<連載> オーガニックライフのはじめ方