吉祥寺の楽しい散策エリアの一角にある「SIGNA」。ここでは、ドイツと北欧を中心とした上質な生活雑貨を扱っている。「輸入雑貨は、私たち日本人の生活にも楽しみや心地よさをプラスしてくれる」というスタッフの三崎智子さんにお話を聞いた。
−こちらのお店のコンセプトについて教えてください
当店は、ドイツと北欧を中心とした輸入生活雑貨を扱っているお店です。「Simple」「Good」「Natural」を商品セレクトのポリシーとしておりまして、店名はここからきています。小さな工房で丁寧に作られた、流行に左右されない、質の良いアイテムを多く揃えています。
−どのようなきっかけでお店を始められたのですか?
もともとヨーロッパの玩具の輸入をしており、現地の生活にも詳しかったオーナーが、素敵な生活雑貨を日本に紹介したいと考え、30年前にスタートさせたそうです。その後一度代官山へ移転しましたが、9年前に吉祥寺に戻ってきました。
−店内の雰囲気はどのような感じですか?
入口側の一面がすべてガラス張りで、日光が降り注ぎ明るい雰囲気です。店内は、白い棚いっぱいに様々なカテゴリーの商品が並び、お客様から「興味深いものが次々に目に入ってきて、目移りしてしまう」というお声を頂いております。
−どのような商品を扱っていらっしゃいますか?
キッチン用品やアクセサリー、ジャカード織りリボンなどを中心に、作り手の想いが込められた、上質で長く愛されるものをセレクトしています。他では見かけないものも多いかもしれません。
−他では見かけない、というのはどのような商品ですか?
KAFKAというドイツの工房で作られている、ジャカード織りのリボンは珍しいと思います。200年前の織り機を再生し、1時間にわずか1メートルずつしか織ることができません。この方法は手間がかかるので、もうドイツでもこの工房でしか作っていませんが、何本もの糸が織り成す色の深みや柄の立体感は、プリントで作られたリボンにはない独特の仕上がりです。お裁縫のお好きなお客様は、シンプルなワンピースのウエスト部分にぐるりと渡したり、トートバッグのアクセントにしたりと色んなアレンジで楽しんでいらっしゃいます。
−SIGNAのこだわりが一番よく表れていると思う商品をご紹介頂けますか?
ドイツのRobert Herder社製のパン切りナイフです。バゲットのような固いものから、食パンのような柔らかいものまで、スッと切れ、パンくずがほとんど出ません。断面もきれいで、切るのも食べるのも楽しくなる使い心地です。この切れ味の秘密は、いまやもうこの工房の職人にしかできないと言われている独特の製法で仕上げた刃先にあります。そんな抜群の切れ味ですが、柄が天然木なので優しい雰囲気に仕上がっており、テーブルの上に置いていても馴染む素敵なアイテムです。
−三崎さんの考える、ドイツや北欧雑貨の魅力とは何でしょうか
「毎日の暮らしを楽しむ達人」である彼らが作るものは、私たち日本人の普段の生活にも楽しみや心地よさをプラスしてくれる気がします。また、日本人には思いつかない色使いのアイテムは、輸入雑貨ならではと感じています。効率よりも、作りの丈夫さや美しさに重きをおき、手作業や手間のかかる昔ながらの機械で制作しているメーカーが多いので、上質な商品が生まれるのでしょうね。
−お客さんにはお店でどんな体験をしてもらいたいですか?
丁寧に作られた商品ならではの、思わず見入ってしまう美しさ、ずっと使っていたくなる心地よさを発見していただけたら嬉しいです。また、小さな工房で作られ、あまり他では見かけない商品も多く扱っているので、こだわりのある方にも「ここに来れば何か見つかる!」と期待していただける店でありたいと思っています。
−意外にもこんな方に利用してほしいというイメージはありますか?
女性のお客様が多いのですが、実は男性の方もお使い頂ける素敵なアイテムが多く揃っているので、足をお運びいただけたらと思います。デンマークのスタイリッシュなキッチン道具や、ドイツの工房で織られたシックな色使いのシルク100%のストールなどがあります。当店は小さいながらのアットホームな雰囲気です。お客様のお話を伺いながら、ニーズに合った商品を提案し、きめ細やかな接客を心がけておりますので、ご来店頂ければと思います。