鎌倉駅の西口から、由比ケ浜通りに向かって伸びる商店街。飲食店や和洋菓子の店、ブティックや雑貨店など、個性的なお店が軒を連ねています。通りのある一帯が「御成町」なのですが、町名の由来には諸説あり、「大正天皇が鎌倉の御用邸(現在の御成小学校があった場所)にいらした=お成りになった」ことが由来だとも言われています。
鎌倉駅西口をスタートして、終点の由比ガ浜通りまで、350mほどの商店街。寄り道しながら、ぶらぶらのんびり歩いていきましょう。
歩き始めてまず目につくのが街灯につけられた「家紋旗」。鎌倉にゆかりのある源頼朝にちなみ、鎌倉幕府にかかわりの深い武将の名前と家紋が書かれています。
レトロなたたずまいの呉服屋さん。振り返って建物の側面も見てみましょう。通りに面した表の顔とちょっと違って「昔の雰囲気」が残っていたりして。
一番人気は「レモンシュガー」。生レモンのしぼり汁とグラニュー糖がたっぷり。レモンの風味がよく、さっぱりとしています。
探検してみたくなるような細い路地。草むらの向こうには何があるのかしら…。
この通りは「草花」が多いことに気付かされます。
観葉植物を売っているお店も多いのです。
このお店は、お花屋さんとカフェが合体。
御成通りのちょうど中ほど、六叉路になっているところの角地に、白い小さな洋館がありました。鎌倉市の「景観重要建築物等」に指定されている、旧安保小児科医院です。大正13年頃に建てられ、平成7年まで、医院として使われていたのだそうです。特徴的な屋根の形が目を引きます。
ちなみに、建物の内部にはウサギとニンジンや、鶴をかたどった天井飾りなどがあり、訪れる子供たちにも親しまれていたといいますが、残念ながら現在は建物は非公開。外から眺めるだけになっています。
高崎屋本店
なまこ壁の風格ある建物と、店頭の「かまくら梅ワイン」につられて足を止めてしまった、高崎屋本店。
鎌倉ブランドのお酒も置いています。茅ヶ崎の熊沢酒造の地酒「鎌倉しおり」や、鎌倉のお寺や民家などでとれた梅を使って作られた「かまくら梅ワイン」「かまくら梅酒」は、鎌倉のお土産にも喜ばれる逸品です。
パン好きの間では知られた名店、KIBIYAベーカリー。ネコの小さな看板が目印です。
自家製天然酵母を使い、ゆっくりと発酵させたパンは、みっしりとして、噛むほどに味わいが増してきます。バターの香りがたまらないクロワッサン、ほろ苦いチョコが絶妙なチョコパンが人気。5月に新登場したサルタナ食パンは、甘みのあるレーズンがパンの酸味によく合います。
お店を訪れるオススメの時間を聞いてみました。「全部のパンが焼き上がるのが13時頃です。でも、それまでに人気のパンは売り切れてしまうこともあるので、欲しいパンを確実に…と思うなら、11時〜12時ごろがよいと思います」
これまたレトロな駄菓子屋さん。
ふたたび門が現れて、由比ケ浜通りに出たところで終了。
地元の人たちのしゃれ心が感じられつつも、飾らない普段着の街という印象の御成通り。観光名所である小町通りや若宮大路などに比べると、いわゆる「観光客向け」の店は少なく、肩の力を抜いて普段使いに立ち寄れる店が多いです。カフェや洋菓子店なども多く、「お気に入りのお店」を見つけるのも楽しみのひとつでしょう。