<連載>公園散策20年の公園マイスター直伝!東京公園ガイド-Vol.9-

【東京】スカイツリーは必見!ゴルフ、植物園、施設も遊具も多彩な木場公園

2015/10/27 10:00

江東区民の憩いの地、木場公園。東京都現代美術館を訪れる人以外は、あまり知らないかもしれません。でも実は、さまざまな園芸技術が見られる植物園や人気のマレットゴルフ場など、美術館以外にも楽しめるところがいっぱいです。南北に横長の公園は、真ん中を葛西橋通りと仙台堀川が分断。そこを公園のシンボルである木場公園大橋がつないでいます。
東西線「木場」駅から歩いて5分。南の木場口から北へ向かいながら、お楽しみスポットを順に見ていきましょう。

「木場公園」楽しみ方のコツ
Point 1. 木場公園大橋からスカイツリーを眺める
Point 2. ボールやフリスビーなどを持参し、広場で遊ぶ
Point 3. 都市緑化植物園で庭を鑑賞する

水と緑の南地区

南地区の半分を占める「ふれあい広場」は、ところどころに若い木々が生える芝生の広場。キャッチボールやバドミントンに興じる親子や犬を散歩させている人で、いつも賑わっています。

広場の端では、元気なシニアがマレットゴルフを楽しんでいました。ちなみにマレットゴルフとは木槌を使ったゴルフで、日本で生まれたスポーツ。江東区で盛んに行われていて、木場公園では18ホールの本格的なコースを楽しむことができます。

広場にはドッグランがあり、利用登録すれば無料で使えるのが嬉しいところ。

バーベキュー場は大人気。完全予約制なので、土日の予約はお早めに!

広場を横切って「都市緑化植物園」へ。ここは庭や花壇の見本園。きれいに刈り込んだ生垣、動物の形に刈り込んだトピアリー、門柱に吊るしたハンギング・バスケットなど、庭づくりのヒントがいっぱいです。ガーデニングに興味のある方はぜひ立ち寄ってみてください。ボランティアの方々によって維持・管理されていて、無料で入ることができます。

横長の「都市緑化植物園」を北へと進んでいくと、絵本に出てきそうな、蔦に覆われた建物が出現。「木場ミドリアム」のサンルームです。
「木場ミドリアム」は植物や園芸にまつわる展示やイベントを行う施設で、植物画や絵手紙の展示、園芸相談、リース作り教室などさまざまな催しを実施しています。ドッグランの利用登録もここで受け付けています。

天窓から陽光が差し込むサンルームには、素朴な木のテーブルとイス。飲食はできませんが、くつろいで休むことができます。この建物を通り抜ける形で「都市緑化植物園」を出ます。

木場ミドリアムを出て左に行くと、中央に池のある「入り口広場」が見えてきます。池に浮いている角材は、木場の伝統芸である「木場の角乗(かくのり)」に使われるもの。木場は、江戸から昭和にかけて材木の町として栄えてきた場所。その歴史を後世に残すため、この池では毎年10月に「木場の角乗」が行われ、水に浮かぶ角材を自在に操る見事な職人技を見ることができます。

「入り口広場」の反対側にあるのが、「南の冒険広場」。木立の中に遊具がいっぱいあり、ネットツリーやクライミングウォールなどのアスレチックが楽しめます。小学生くらいの子たちが、夢中になって遊んでいます。

怪獣のすべり台など、小さな子が遊べるものも。

南北を結ぶ巨大な橋が見どころの中地区

「木場ミドリアム」前の階段をのぼると、「噴水広場」に出ます。端にはベンチが設けられていて、花壇や噴水、階段下の広場を眺めたりしてくつろぐ人々の姿があります。

橋の全長は250メートル。巨大なコンクリートの柱と太いケーブルが力強い印象で、間近で見ると圧倒されます。道幅が広く、歩いていて気持ちのいい場所です。正面にスカイツリーが見え、絶好の観賞スポットとなっています。

下には仙台堀川と遊歩道も見えます。

橋の途中の階段から、下の遊歩道に降りることができます。川岸には花壇が整備されていて、春には色とりどりの花が目を楽しませてくれます。

木場公園大橋を渡り切ったところにあるのは、「イベント広場」。野外ステージがあり、毎年GWに行われる江東区のアマチュア音楽フェスティバル「木場ストック」など、さまざまなイベントに使われています。休日には、ダンスチームや演劇グループの練習風景を見かけることも。

「イベント広場」の脇の階段を降りたところにある売店は、隠れた名店。見た目はごく普通の売店なのですが、品ぞろえが充実しています。ボールやバドミントンセットなどの遊具、犬のえさなどが揃っている点も便利ですが、なんといっても飲食メニューが豊富。ラーメンやカレーライスなどの定番はもちろん、アイスクリームの種類も多く、どれもおいしい! 生ビールもあります。
木場公園に訪れた際は、ぜひ立ち寄ってほしい場所です。月曜定休。

東京都現代美術館のある北地区

「イベント広場」の向こうには、砂利が敷かれた「多目的広場」。運動するのにもってこいの場所です。

バスケットゴールもあります。

広場の横にはたくさんのテーブルとベンチ。木陰でお弁当を広げる人たちの姿がありました。

「多目的広場」の横にある「北の冒険広場」は、「南の冒険広場」に比べるとやや小さめの遊び場。遊具も幼児向けです。

公園の北端に位置するのが東京都現代美術館。中にはおしゃれなレストランと美術系の専門書がそろう美術図書館があります。入館料を払わなくても利用できるので、是非一度のぞいてみて。
ここからは、東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄大江戸線「清澄白河」駅の方が近いです。15分ほどかかりますが、情緒ある深川の街並みをそぞろ歩くのもおすすめです。

開放感たっぷりで全世代が楽しめる場所

木々が少なく、広場が多い公園です。思い切り駆けまわったり、スポーツを楽しんだり、園内のあちこちで自由に遊べるのがいいですね。広々としているだけでなく、美術館、植物園、マレットゴルフコースなど多彩な施設もあり、幼児からシニアまで楽しめるのも魅力。さまざまな顔を持っているので、誰でも何かしらお気に入りを見つけることができるはずですよ。

この記事のプレース
木場公園
東京都江東区平野4-6-1
詳しい場所を確認する
この記事を書いたライター
フリーライター。1976年生まれ。広告制作会社、新聞社等の勤務を経て独立。飲食店取材や街頭インタビューで都内を駆けまわる一方、休日は愛用の一眼レフを手に山や植物公園に出没。公園巡りを始めて20年余。季節ごとの魅力や楽しみ方を知り尽くした「公園マスター」。東京都内の公園はすべて網羅し、公園ごとのオリジナル料理や飲み物、巨木は必ずチェックしている。旅と自然を愛し、ヨーロッパ諸国の他、アラスカやボルネオへの渡航経験がある。主な執筆ジャンルは食、自然、健康など。
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