【鎌倉】農家さんから直接買える 旬の鎌倉野菜が揃う「鎌倉市農協連即売所」

2015/06/19 16:27

鎌倉に野菜の市場があるのを知っていますか?しかも鎌倉駅から徒歩5分の近場に。とれたての鎌倉野菜を誰でも気軽に買うことができるのが、鎌倉市農協連即売所、通称「レンバイ」です。地元の人や観光客だけでなく、レストランのシェフや和食の板前など、料理のプロも旬の野菜を求めて直々に買いにくるといいます。

さあ、市場でお買い物!

鎌倉駅東口から若宮大路を歩いて5分。レトロな大きな看板が目印です。どんな野菜に出会えるのか、楽しみです。入口左手に、即売所の歴史について書かれた看板がありました。
即売所ができたのは昭和3年。「農家が自分で生産した野菜を直接売る市場」というのは、今でこそ多くの地域にありますが、当時は画期的なシステムだったようです。

レンバイは毎日開催しています。お休みは年始の1月1日〜4日のみ。ほぼ1年を通して野菜が揃っています。スーパーの野菜売り場と異なり、季節ごとに違う野菜に出会えるのが市場の楽しみですよね。



朝8時から夕方(日没)までと、営業時間が長いのも、観光客には嬉しいところです。もちろん午前中早い時間のほうが品揃えはよいですが、午後でもそれなりに商品は揃っていて、買い物を楽しめます。朝の早い時間には旬の素材を求める料理人の姿も。

ところで「鎌倉野菜」ってどんな野菜?

お店の方に聞いてみました。「よく聞かれるんだけど『鎌倉の農家が作った野菜』が鎌倉野菜なんです。たとえば『鎌倉レタス』とか『鎌倉大根』みたいな品種があるのではなく、私たちが作った野菜がすべて『鎌倉野菜』と呼ばれています」だそう。

お店の品揃え、もちろん同じものもありますが、少しずつお店によって違います。




葉もの野菜が多い店、じゃがいもの種類が豊富な店、洋物の野菜がある店、加工品も売っている店。それがお店の個性になっているのですね。

「それぞれの農家が、自分が作った野菜を売ってるからね。土も違うし育て方もそれぞれ。だから、同じ品種の野菜でも、店(農家)によって味が違うって常連さんは言いますよ」



品種も明記されているのも、この市場の特徴かもしれません。同じ「サニーレタス」「じゃがいも」でも、こんなにいろいろ品種があって、違うんだ…と驚きます。




作り手の農家とのやり取りが楽しみ

この市場は「作り手による対面販売」。お店の人と会話を楽しみながら買い物ができるのは、市場のよさです。

それぞれのお店が農家直営の個人商店。全部自分で作ったものだから、野菜の説明から食べ方まで、お客さんへの説明も的確。

「このじゃがいも、色とりどりで珍しいね。どうやって食べたらいいの?」

「彩りを生かすなら、さいの目に切って茹でてサラダにすると、アジサイみたいにきれいですよ。この紫色のは肉じゃがにしたら他の野菜やお肉も全部紫色になっちゃうから気をつけて」


買った野菜は、「鎌倉やさい」のビニール袋に入れてくれます。


鎌倉の「K」をデザインしたロゴがかわいらしいですね。
「ここで買った野菜は、冷蔵庫にしまっちゃだめですよ。常温で保存、悪くなる前に食べ切るのが、美味しく味わうコツですからね」とのこと。

野菜以外もあれこれ楽しみ

レンバイのスペースの一角に「鎌倉中央食品市場」があります。レンバイと入口が別になっているのですが、中でつながっています。乾物屋やケーキ、パンの店などがあります。


そして入口にはなんとも魅力的な焼き鳥屋さん。ベンチもあるので「昼からビール」が楽しめちゃうかも。

時代を越えて愛される、鎌倉の台所

ひっきりなしに人々が訪れる、活気あふれる市場。この市場の魅力は「農家の方々と会話を楽しみながら新鮮な野菜を買うことができる」ことでしょう。店頭に立つお父さん、お母さんたちは、親や祖父母の代からここで市場を続けているのだそうです。多くの人に愛され守られている、鎌倉の台所。「私たちも代々だけど、お客さんたちも代々来てくれているのよね」という農家さんの言葉が印象的でした。

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この記事を書いたライター
山と旅をテーマに取材・執筆活動をするフリーライター。著書に「東京近郊ゆる登山」(実業之日本社)など。東京都在住。