公園散策20年のマイスター直伝!東京公園ガイド - vol.25-

【東京】森にクワガタ、小川にはザリガニ!豊かな自然とふれあえる林試の森公園

2016/08/04 19:06

目黒区と品川区にまたがる林試の森公園。名前のとおり森である園内には子どもに人気のクワガタやカブトムシが棲息。夏にはジャブジャブ池も稼働し、池や小川にはカメやザリガニもいるので、外遊びが好きな子どもに喜ばれます。林試の森公園はかつて林業試験場だった場所で、幹まわり3メートルを超える巨樹が数多くある、都内屈指の巨樹観察スポットです。

<林試の森公園のpoint>
・クヌギなどの木を探して、樹液に集まるクワガタやカブトムシを観察しよう
・池のカメや水路のザリガニなど、水辺で生き物を探してみよう
・緑に囲まれたジャブジャブ池で、楽しい水遊びを満喫しよう
・年輪をモチーフにしたすり鉢状の「出合いの広場」で、寝転がってみよう


敷地は東西に横長で、ターザンロープなどの遊具がある東エリア、ジャブジャブ池などの水場が集まった中央エリア、運動が楽しめる大きな広場がある西エリアがあり、さまざまな楽しみ方ができます。

冒険広場と巨大クスノキも!ピクニックに最適な東エリア

東エリアには「冒険広場」があり、突起の付いた斜面やうんていなどが付いた複合遊具、ジャングルジム、ターザンロープなどが並んでいます。


「冒険広場」には小高い丘のある遊具スペースで、段々になっています。遊具は段の下にあり、ママたちは子どもたちが遊ぶ様子を丘の上から見守ることができます。レジャーシートを広げられるスペースやベンチもあるので、くつろぎながら子供の様子を見るのが定番です。


「冒険広場」の向かいにはピクニックに最適な芝生の広場があり、早咲きの桜として知られる河津桜も植えられていて、東京で春の訪れを真っ先に感じられるスポットでもあります。


芝生広場には公園のシンボルである巨大なクスノキもあり、その大きさに圧倒されます。さらに東に行くと、2011年の台風で倒れた高さ34mのユーカリの木も見られます。倒木がどうやって自然に戻っていくのかを観察するために、そのまま放置してあるとのこと。おもしろいですね。

涼しい木陰の池と小川、楽しいジャブジャブ池がある中央エリア

公園中央には小さな池が南北に2つあり、うねる小川でつながっています。池にはたくさんのカメが棲んでいて、晴れた日には並んで甲羅干しをする様子が楽しめます。周辺は、湿地を好む木々が水際まで密集して濃い影を作り、風が吹くとひんやりするほど。夏は涼を求める大人にも心地のいい場所です。


ここの小川は、子どもに人気のザリガニが棲んでいることで有名。ザリガニ釣りは、今も昔も人気の遊びのようです。でも、生き物の採集は禁止。持ち帰らないで逃がしてあげてくださいね。


池と小川の上には橋が架かっていて、背の高い木々の枝葉を近くに感じられます。自転車で走り抜けても気持ちがいいですよ。


観賞池の南にあるジャブジャブ池は人工池ですが、周囲を深い緑に覆われているので沢遊びのような気分で楽しめます。ここにもベンチがあって、すぐ近くで楽しむ子どもに目を配れます。


滝石の3カ所から放水される水しぶきが、小さな子どもたちを惹きつけます。ここで遊ぶには水着の着用がルール。簡易的なものですが、着替え用のスペースも用意されているのが嬉しいポイントです。


水の中には石で形作られたユーモラスな生き物の姿もあり、幼い心を楽しませてくれます。ジャブジャブ池で遊べるのは7月~8月の一定期間、10時~15時の間だけ。清掃日の木曜日や雨や気温の低い日は遊べないので注意してくださいね。

広場で遊ぼう!クワガタ観察やどんぐり拾いも楽しめる西エリア

ジャブジャブ池の向かいには幼児コーナーがあり、すべり台の付いたカラフルな複合遊具や砂場、動物のスプリング遊具、丸太を使った低い平均台などが、木立の中に点在しています。


空気がきれいで木陰がたくさんあって快適ですが、夏は虫除け対策を忘れずに。園内に売店はないので、事前の準備が必要です。


幼児コーナーの北にあるのが、目黒区と品川区の区境に作られた「出合いの広場」。年輪をモチーフに作られた円形の広場はすり鉢状になっていて、毎年地元で行われるイベントではコンサート会場にも使われます。程よい傾斜が寝転がるのにちょうどよく、ひなたぼっこしている人をよく見かけます。


「森の広場」の周囲にはカシ類が多く生えていて、秋にはどんぐり拾いが楽しめます。園内にはポプラやスズカケノキなどさまざまな木が生えているので、調べ学習の題材にもなりそうですね。


サービスセンターの脇にあるプラタナスの並木は一見の価値あり。晴れた秋の日には、色づいた大きな葉が金色に輝きながらはらはらと落ちる様子が見られます。
並木の北にはクヌギの木が多く、夏の夜には樹液を求めてクワガタやカブトムシが集まります。セミの羽化もたくさん見られるので、虫好きの子どもには楽園といえるでしょう。

野趣あふれる自然を満喫できる穴場スポット

東急東横線・地下鉄三田線「武蔵小山」駅から徒歩10分。都内でありながらダイナミックな自然が感じられる穴場の公園です。生き物の採集は禁止されていますが、自然の中でありのままの姿を観察できるのは大きな魅力。レジャーシートやお弁当を持って、家族みんなで出かけてみてはいかがですか?

この記事のプレース
林試の森公園
東京都品川区小山台2丁目6-11
詳しい場所を確認する
この記事を書いたライター
フリーライター。1976年生まれ。広告制作会社、新聞社等の勤務を経て独立。飲食店取材や街頭インタビューで都内を駆けまわる一方、休日は愛用の一眼レフを手に山や植物公園に出没。公園巡りを始めて20年余。季節ごとの魅力や楽しみ方を知り尽くした「公園マスター」。東京都内の公園はすべて網羅し、公園ごとのオリジナル料理や飲み物、巨木は必ずチェックしている。旅と自然を愛し、ヨーロッパ諸国の他、アラスカやボルネオへの渡航経験がある。主な執筆ジャンルは食、自然、健康など。
<連載> 公園散策20年の公園マイスター直伝!東京公園ガイド