住宅街の中、自宅の1階を改装し、夫婦で営む雑貨店「mabataki」。気取らずシンプルに、日常に寄り添える雑貨の販売を行っているお店だ。「いいモノとは、思い出が作れるモノ」というショップオーナー・古川康宏さんにお話を伺った。
−お店のコンセプトについて教えてください
当店は、食器、植物、ハンドメイド雑貨(雑貨・カバン・イージーウェア等)がメインの雑貨店です。「マバタキのように自然に、いつもの生活に少しの彩りを。」そんな言葉をコンセプトに、食器・植物・ハンドメイド雑貨を製作・収集しております。気取らず、シンプルに、もっともっと日常に寄り添えるモノを提供したいと考えています。
−どのようなきっかけでお店を始められたのですか?
元は夫婦共に、ショッピングモールに入っているような大きな雑貨店で働いておりました。たくさんの雑貨に囲まれ、たくさんのお客様に接していると、「本当にこの雑貨は自分がオススメ出来るのだろうか?使ってもいないのに…」という疑問が生まれてきました。「もっと自分が、心からオススメ出来るものをみんなに使ってもらいたい!」という想いから、夫婦でお店を始めました。
−お店で大事にしていることは何ですか
出来るだけ、お客様とお話をしたいなと思っています。私達は自宅でお店を営んでいるので、プライベートでも近所のお客様とお会いすることが多いんです。ですから、もっともっと身近に感じて頂けるように、お話をして「近隣の方なのかな?」とか「雑貨がお好きなのかな?」とか、他愛もない会話を少しでも出来るように心がけております。
−店内はほっと落ち着ける様な雰囲気がありますね
自宅の1階を改装した八畳一間の小さなお店なので、少し狭苦しいかもしれませんがアット・ホームな雰囲気でお客様をお迎えしております。近所のお客様も多いので、椅子に腰掛けてお話したり出来る環境を作っています。
−お客さんはご近所の方が多いのですか?
そうですね、ご近所の方も多いので顔見知りになることが多いです(笑)20台後半~40台位までの主婦の方がよくいらっしゃいます。リピートして頂ける方もたくさんいらっしゃいますよ。また、毎年2回ほど、近所の神社で雑貨市のイベントを行っています。ですので近隣のみでなく、遠方のお客様にも喜んで頂いております。
−製作もなさっているそうですが、どのような雑貨を製作しているのでしょうか
自店で製作しているものは、主に布モノ商品です。カバン、パンツ、トップス、雑貨やベビー用品も製作しています。食器に関しては、自店のオリジナルデザインを京都清水焼窯元の職人さんに焼いて頂いた、オリジナルプロダクトのものがございます。製作は主に妻が、食器、植物の見立てや仕入れに関しては私が行っております。
−人気の雑貨や、ユニークな雑貨を教えてください
「おにぎりポシェット」という、小さめのポシェットが人気です。財布、携帯等最小限のものをちょっと入れてお出かけするのにとっても便利な品です。台形のカタチが特徴的で、カラー展開もたくさんあり、皆様にご好評頂いております。変わったものでは、「フードチュニック」がございます。製作した最新のアイテムです。一見普通のワンピースに見えるのですが、チュニックにはあまり見ない「立ち襟フード」になっています。ユニークでありながら、目立ち過ぎないカタチが個人的に好きで作っています。
−お店の一番のこだわりを教えてください
ここでしか買えない、オリジナルアイテムがたくさん揃っているところです。大きなショッピングモールに行っても、絶対に出会うことの出来ないアイテムがあることが魅力だと思います。ご来店頂いた際は、店頭で「高価でオシャレなモノだけが良い物ではない」事を体験して頂けるよう努力しています。私達の店にも、安価なものから高価なものまでございますが、「いいモノ」というのは高価でもチープでも「いいモノ」だと思うのです。一つ一つ、丁寧に製作・収集しておりますので、愛情のこもった品物ばかりを取り揃えております。
−古川様が考える「いいモノ」とは何でしょうか?
一言で言えば、「思い出が作れるモノ」でしょうか。長く身近に愛せる雑貨は、それだけ日常的に使うものだと思いますし、「コレを使っていた時にあんなこともあったなぁ…」とか、思い出がたくさん出来ていくと思うんですね。いっぱい思い出を作って、最後の最後まで長く使って頂ける雑貨が「値段に左右されないいいモノ」なのではないでしょうか。ですので、出来るだけ丈夫なものを製作しておりますし、買って頂いたモノのメンテナンスや修繕などもお受け出来るよう、心がけています。