【根津】昔から変わらない自家製シロップのシンプルかき氷

2015/08/11 16:20

芋甚は、大正時代から続く、根津の老舗の甘味処です。こちらでいただくかき氷は、「氷 牛乳(480円)」。1000円を超えるかき氷が珍しくない昨今において、この値段で提供している理由を尋ねると、「昔ながらのお客さんも多いからね。値上げをすると、バレちゃうでしょ」と、イタヅラっ子のような笑顔を見せるご主人が、なんとも微笑ましく感じます。


真っ白なビジュアルが涼しげなかき氷の高さは、およそ17cmほど。蜜がこぼれないよう、高さのあるシンプルなグラスが、かき氷の美しさを引き出しているようです。

スプーンを氷にたてると、ほろほろと氷が崩れていきます。氷を口に運ぶと、牛乳のまろやかさにほんのり香るレモンの爽やかさ。聞けば、牛乳に自家製のレモンシロップを混ぜて作っているのだとか。決してあとに残らず、さっぱりとした味わいは、真夏のほてった体に確かな清涼感を与えてくれます。

氷が溶けてきたら付属のストローで、ドリンクのようにいただくのもまた乙なもの。甘すぎないシロップだからこそ、このような味わい方もできるのです。

芋甚という名前は、創業当初は甘いものが貴重だったため、さつまいもを使ったお菓子などを提供していたことと、創業者の名前が「甚蔵」さんだったことに由来しているそうです。

芋甚がかき氷を提供している時期は、5月下旬から9月の下旬。その時期になると軒下に下げられる大きな「氷」ののぼりを目印にするといいでしょう。


力強さを感じるフォントで書かれた立て看板。白と黒の2色で作られた、和風の佇まいは、思わず足を止めて中に入ろうか考えさせるような力を持っています。


平成8年に内装をリニューアルしたという店内は、シンプルながらも和のテイストが漂います。席に座ると、ゆったりとした時が流れ、思わず長居してしまいたくなるような、居心地の良さを感じさせる空間となっています。座席数は18席ほど。土日は、観光客や地元の方などが絶えず訪れるほど人気のお店です。

とはいえ、店内は騒々しくなく、皆思い思いに「芋甚」という空間を味わっているようでした。こんな時間の使い方ができるのも、老舗ならでは。都会の喧騒につかれたときは、芋甚で一息ついてみてはいかがでしょうか?

この記事のプレース
甘味処 芋甚
東京都文京区根津2-30-4
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