雑貨店やおしゃれなカフェで賑わう吉祥寺の中通りから、脇道に入ったところに佇む「Tsubame Märkt」。店内にはヨーロッパから買い付けた趣のあるアンティークやブロカントの雑貨が並べられている。「宝探しを楽しむような気持ちで雑貨を見て頂きたい」という店主・竹川理之さんにお話を聞いた。
−こちらのお店のコンセプトを教えてください
当店は、ヨーロッパのアンティークやブロカントを扱うお店です。自分達で足を運び、ヨーロッパ各地でアンティーク、ブロカントを探してきています。お店の名前にもなっている「ツバメ」のように、“回帰する”という意味で、大事にされてきた昔々のものが、現代でもまた大切に受け継がれていってくれたらという願いの元、商品を揃えています。
−どのようなきっかけでお店を始められたのですか?
元々古いものと旅行が好きだったため、ヨーロッパの蚤の市やショップ巡りをしていました。好きが高じて、お店を始めるに至りました。
−お店にはどのような雑貨がありますか?
フランス・オランダ・ベルギーを中心としたヨーロッパのアンティークや、ブロカントの雑貨がメインとなっております。仕入れの時期によってお店に並ぶ雑貨は変わりますが、今ではフランスのプレートや、オランダのコーヒーミル、ベルギーの自転車のナンバープレート、サドルなどを扱っています。
−海外での買付はどのように行われているのですか?
ヨーロッパの骨董市やアンティークショップに足を運んだり、知人のディーラーから直接買付たりしています。年に2回程、フランス、ベルギー、オランダを中心に周っております。
−雑貨を選ぶ時に、大切にしていることはありますか?
大事にされてきた跡のあるもの、昔のレトロなデザイン、人の手で細部まで丁寧に作られているものなどを選んでいます。お客様からのリクエストを頂いたものを探すこともありますが、多くの場合は見た時の直感で仕入れています。
−ちなみに、国によって雑貨に特徴はあるのでしょうか
そうですね…、フランスは可愛らしいものが多いような気がします。ベルギーは、フランスよりも素朴な感じがします。
−おすすめの雑貨をひとつ、教えてください
現在お店に並んでいるものでは、オランダで仕入れたホーローのキャニスターがおすすめです。外側には、オランダ語で砂糖(suiker)と書かれています。砂糖入れに使われていたキャニスターですね。赤・緑・深緑の3色ありまして、現代のものとは違い厚みと重さがあり、しっかりと作られている感じがします。
−これはどちらで仕入れた雑貨なのでしょうか?
これはオランダの蚤の市で見つけました。スタンドの店主さんは、他にもキャニスターはいろいろあるはずなんですが、なぜだか砂糖(suiker)と書かれているものを集めていたようでして。いろいろなカラーの砂糖入れキャニスターが並んでいて可愛らしかったんです。また、その光景が店主さん(男性)のお姿とすごくギャップがあって(笑)。そこにとても惹かれて、買付ました。
−竹川さんにとってアンティークの魅力とはなんでしょうか
アンティークからは、修理や補修などを重ね大事にされてきた痕跡や、レトロなデザイン、人の手で細部まで丁寧に作られていることなどが感じられます。それは、年月を経ても色褪せることがなく、手に触れると温かみがあり、使うことだけその想いを感じることができます。それが一番の魅力ですね。
−お客さんにはお店でどんな風に過ごして頂きたいですか?
宝探しを楽しむような気持ちで見て頂けると嬉しいです。ヨーロッパでの買付けでは、私達も宝探しのような楽しさを持ちながら雑貨を探しています。その体験をお店でも体験していただければと思います。お店にいらした方からは、「時間が止まったみたいで、ゆったりと過ごせました」と声をかけて頂くこともあります。お店の雰囲気も合わせて楽しんでもらえたらいいなと思います。