桜の名所としても全国的に有名な「哲学の道」にほど近い場所にある「酒のハラダヤ」は、全国でここでしか買えない地酒・地焼酎を扱う酒屋だ。また、世界で1本だけのオリジナルラベルを作るサービスも行っている。「地元ならではのお土産や特産品を作りたかった」という三代目店長・原田明さんにお話を伺った。
−お店のコンセプトを教えてください
当店は、「哲学の道」の地酒・地焼酎を販売する地域密着型の酒店です。お酒の名前にもある哲学の道が近くにございまして、自然あふれる緑豊かな地にまた来たいと言って頂きたいという想いで、「哲学の道」の地酒・地焼酎を誕生させました。このお酒を扱っているのは、全国でも当店だけです。また、世界で1本だけのオリジナルラベルのお酒もお作りしています。
−お店の歴史について教えてください
もともとは、明治時代に岩倉具視に「岩倉屋」の商号を名付けて頂いた京都御所の出入りのローソク屋として営んでまいりました。昭和の初め頃から酒店を始め、屋号も新たに創業以来、信頼・安心・親切をモットーに現在は営業しております。
−「哲学のお酒」はどのようにして生まれたのですか?
当店のある場所の周辺には、銀閣寺、法然院などがあります。春には桜の名所である哲学の道、秋には紅葉の見事な永観堂と、季節の変化も楽しめる場所です。三代目である私がこの商売を始めた頃、ふと、京都というくくりではなく、この自然豊かな地元の特産品・お土産が出来れば良いのに…と思うようになりました。地元の活性化に一役買えないかという想いもあり、考えを巡らせていたところ、創業三百余年の京・伏見の蔵元・北川本家様と出会いました。 “哲学の道の思い出に残る、静やかで優しい風景と人情にふさわしいお酒”として何度も打合せを重ね、誕生に至りました。今でも作り出すまでの苦労と誕生の喜びが忘れられません。
−伏見のお水は日本酒に適している硬水ですが、お酒の味にどの様な特徴が出るのでしょうか?
そうですね。伏見は昔から良質で豊富な地下水がある地として知られていて、「伏水」とも言われるほど良質の伏流水に恵まれています。日本酒の味を決める要素の一つに、水に含まれるミネラルの量がありますが、多すぎても少なすぎても良いお酒はできないんです。京都伏見の日本酒に使う地下水は、中硬水で比較的口当たりがよく、柔らかい味わいで優雅に仕上がります。このため、伏見の日本酒は「女酒」と呼ばれることが多く、これに比較してミネラル分が多い硬水を用いる灘の日本酒は力強い酒になることから「男酒」と呼ばれることが多いです。「伏見の女酒・灘の男酒」とは、この風味の違いを表した言葉なんですよ。
−お店限定の日本酒・焼酎について教えてください
一番人気の「夢みごこち」は、米の味がしっかりしていて、フレッシュな味覚と芳醇な香り、優しくきれいな口当たりが特徴の大吟醸純米酒です。やや辛口でスッキリとした飲み口で、ふわっと広がる余韻までを心行くまで楽しんで頂けると思います。「桜のしずく」も同じく大吟醸純米酒ですが、こちらはやわらかくスッキリした飲み口です。女性にも喜んで頂けるよう、お洒落なドレス瓶の飲みきりサイズ(ブルー・ピンク)のご用意もございます。そして、「哲学の道 米焼酎三年貯蔵」は味のふくらみ、まろやかさが特徴の3年熟成の本格米焼酎で、蒸留した原酒を選別し長期熟成させています。スッキリと飲みやすく、熟成した深みのある味わいで、やわらかな飲み口の後グッ!とくる美味しさをお楽しみ頂けると思います。
−どんなシーンに合いますか?
おうちの庭先や縁側、ベランダで夜風に当たりながら、哲学の道を思い浮かべて飲んで頂けると嬉しいですね。より一層おいしく感じて頂けると思うので、試して頂きたいです。酒の肴としては、お刺身やアッサリ系の肴がピッタリです。地元の常連のお客様の他にも、観光のお客様が、美味しかったのでと、再び京都観光に来た際にお立ち寄り頂くことも多く嬉しく思っております。
−オリジナルラベルのお酒が作れるとのことですが、出来るまでの流れを教えてください
オリジナル文字ラベルのお酒(日本酒・焼酎・ワイン)は、1本から作成を承っております。ある時お客様から「みんなと違った贈り物をしたい」と相談さたことをきっかけに思い浮かび始めました。まず、お客様に目的をお伺いし、お酒の種類を決定、続いて本題のラベルにする文字や背景等を決めて頂きます。ご来店の場合は、その場でラベルのイメージを簡単に描いて頂いて、イメージを伝えて頂きます。その後、文字種や背景などはお任せ頂き、ご注文から約一週間で完成となります。
−過去、印象に残っているオーダーはありますか?
すべてのお客様に共通しているのが、オリジナルラベルへの思い入れが半端ではないことです。皆さん一生懸命に考えておられるのが、ひしひしと伝わってきます。以前、写真入りのラベルをご希望のお客様で、画像データではなくたった一枚しかない貴重なプリント写真をご持参頂いて「スキャナーで写して使用して下さい」いうご依頼を頂いたことがありました。絶対にミスは許されないという緊張感で、元の写真をお返しするまでドキドキの連続でした。お客様の想いに応えられるよう、こちらも一生懸命にお作りしています。仕上がりを喜んで頂けたというお声を頂くと、とても嬉しいですね。
−これからお店を訪れる方、購入を検討されている方に伝えたいことはありますか?
「すべてはお客様の満足のために」をモットーに、信頼・安心・親切・丁寧な接客を目指しています。ここでしか手に入らないお酒と、世界でたった一つの贈り物になるオリジナルラベルで、また来たい!と思って頂けるサービスをご提供できるよう努めてまいります。