吉祥寺散歩といえば、ユニクロの先にあるなかみち商店街。ここをしばらく歩き右に入ると、”全国のおいしいもの”が約300品目ならぶという「吉祥寺千恵蔵さん」がある。とにかく店主が全国を歩いて楽しいおいしいものを集めたというこのお店。いったいどんな食べ物に出会えるのか、店主の大泉 寛恒さんにインタビューした。
−「吉祥寺千恵蔵さん」はどのようなお店でしょうか
全国の楽しいおいしいものを店主が足を運んで集めたお店です。店全体では常時約300品を陳列販売しており、当店オリジナルで作っていただいている品も約70品あります。
−様々な食べ物に出会う中でお店に並べるものはどう選んでいるのですか
自分自身が食べた瞬間。「ワ~~美味しい、これっ!楽しい。幸せ。」と思うものです。そして同時に食の広がりのあるもの。食べ方や調理の仕方や合わせる素材の組み合わせで2回3回と何度も楽しめるものですね。
−お店で人気の商品を教えてください
一番人気は「北海道産小豆ぜんざい」です。素材は北海道産小豆から作り手が厳選したものだけを使用。砂糖も同じく北海道産の甜菜糖を精製したビートグラニュー糖のみ。砂糖の中でもてんさい糖は多糖類と言って、吸収が穏やかで甘みをゆっくりと感じるため使用量を少なくしても甘みを感じます。自然な糖の中でも優れた甜菜糖を使い、小豆も皮剥けが無い様にひと粒ずつ丁寧に炊き上げられたものになっています。
−珍しい食べ物や、驚きのある食べ物はありますか
驚きがあるのは、あんこ職人が作る「ブラウニー」でしょうか。イギリスを代表する洋菓子をあんこ職人が作るとこんなに繊細で旨くなる。日本人だからこそできた美味しさに驚きますよ。価格もリーズナブルです。また「鹿児島有機緑茶を使ったオーガニック緑茶チョコ」も珍しいですね。ザラッとする位、茶葉が練りこまれているお茶のチョコ。抹茶ではなく緑茶というところが新鮮です。
−こだわりの食べ物のお店を始めたのはどのような思いからですか
30年以上食の世界に携わってきましたが、食の安全や健康など小売されている商品には一部の良い面の情報しか記載や掲示されておらず間違った認識がされているケースを多く見てきました。正しい食の知識をお伝えするとともに、作り手の想いも一緒に発信できるハブの役目ができればと5年前にスタートしました。
−食の知識や作り手の想いの発信はどのようにしているのでしょうか
お店で直接私やスタッフがお話させて頂いています。例えば、油の圧搾や殺菌の仕方による品質や美味しさの違いや、生卵は冷蔵庫で管理しなければいけないという誤解、砂糖の違いでどう風味や健康に違いがあるかなど。普段お店ではなかなか伝えられない側面を踏まえて、真摯な作り手が伝えきれないことを楽しい話題を織り交ぜて伝えていければと思っています。
−お客さんはどのような方が多いか教えてください
食べることがとにかく好きな方で、コレというお気に入りを見つけてずっとハマる方が多い印象です。常連さんはお店に入ってくると、その品めがけて一直線(笑)。年齢も10代後半から90歳代まで幅広くお越しになり、男女の構成も男性4割・女性6割と以外に男性が多いのも特徴だと思います。共通しているのは食は楽しく健康に、そして作り手が見える安心なものを求めていらっしゃるのだと思います。