【京都】伝統からオリジナルまで約100種の佃煮が並ぶ昆布佃煮専門店

2015/10/06 11:01

「おやじなかせ」や「こんぶ玉」といったユニークな名前の商品が並ぶ「京こんぶ 千波」。創業から約70年、培ってきた伝統と新しい発想でオリジナルの創作佃煮を生み出し、京都ならではの食文化を伝えている。「訪れるたびに新しいと感じて頂けるものづくりをしたい」という代表・井上武さんにお話を伺った。

常に新しいものを作り出す、試行錯誤を続ける“ものづくり”の姿勢

−どのようなお店か教えてください。
歴史と伝統のある京都錦市場に店を構える京こんぶ・佃煮のお店です。400年の歴史ある錦市場で培われた伝統と新しい発想から生み出した創作佃煮を通じ、お客様に喜んで頂ける商品開発を心がけております。“常に新しいものを作り出していくものづくり”の姿勢をコンセプトとしています。

店頭の商品

−商品づくりで、大切にしていることはなんですか?
「本当に美味しいもんが作りたかったら、美味しいもん知らんとあかんで」を口癖に、「食」に通じるものは、なんでもアイデアの参考にしています。汐吹昆布から佃煮まで約100種類近くの商品が並び、山椒などを筆頭に京都らしい食材を使った商品が数多くあります。お客様が訪れるたびに新しいと感じて頂けるようなものづくりを心がけています。

様々な種類がある

−新しい商品を作る中で、大変だったことなどはありますか?
新しい商品の開発はいつも苦労の連続なのですが、障壁となるのは、やはり価格や素材の産地、日持ち、加工の難しさなどです。独自商品の多くは最終工程でひと手間加えることが多いのですが、「こんぶ玉」という商品の試作では旨みが足りず、試行錯誤の結果隠し味に椎茸を入れ美味しく仕上げることに成功いたしました。そういった最後の一味までこだわっています。

「こんぶ玉」は美味しさの追求に椎茸を。

ユニークな名前や形の看板商品から、季節を感じる商品まで

−千波さんオリジナルの佃煮を教えてください
従来の考えにとらわれないオリジナル創作佃煮が多くございます。
その代表作ともいえるのは、「おやじなかせ」。これは現当主である2代目が若手職人であった頃、山椒昆布や松茸昆布といった伝統的な京昆布に対して、かつおと梅肉を加えるという全く異なった新しい発想で生み出した創作佃煮です。先代当主が食べた際、「なんというものを作った…」と、今までの概念を崩した感性に涙したエピソードが伝えられています。それから、先ほどの話にも出てきた「こんぶ玉」シリーズも人気です。こんぶ玉は、塩昆布をつぶして玉状に丸め、山椒の風味を利かせた商品です。つまんでもよし、おにぎりの具にしてもよし、酒のあてやお茶漬けにしてもよし。使い勝手も抜群です。味のバリエーションも豊富なので、楽しんで頂きたいです。

おやじなかせ

こんぶ玉はおにぎりにも

お茶漬けにも合う

−季節限定の商品などもありますか?
毎年の恒例のものですと、「ふきのとう」、「竹の子昆布」、「くぎ煮」などがございます。夏は「青山椒入り乱切り塩昆布」、「しょうが昆布」、「子持ちきくらげ」、秋は「大入り松茸昆布」、「じゃこみそ」、冬は「かずのこ昆布」、「田作り」、「昆布巻き」などをお作りしています。また、その年によって季節の食材を使った佃煮を販売することもございます。

春の組み合わせ

夏の組み合わせ

大入り松茸昆布

かずのこ昆布

−ちょっと変わった食べ方や楽しみ方を教えてください
鯛などの白身のお刺身を、お醤油の代わりに佃煮を乾燥させた汐吹昆布で頂いても美味しいですよ。お客様の中には、「ラー油きくらげ」を中華ドレッシングのようにサラダとあえたり、「吹きよせ茶漬け」をトーストに乗せて召し上がっているという方もいらっしゃいます。

汐吹昆布

−井上さんおすすめの商品を教えてください

個人的なお気に入りとなると、「ちりめん山椒」ですね。ちりめん山椒自体は京都のおばんざいとして昔からあるもので、家庭でもよく食べるものです。ちょっと贅沢な食べ方として、とろろ昆布と当店の「ちりめん山椒」をアツアツのごはんに乗せて軽く混ぜると、昆布の粘りとうまみが出るんです。ごはんがいくらでも食べられますね(笑)

地元の方にも、観光客にも喜んでもらえる京都の食文化を届けたい

−お店周辺の「錦市場」についてお聞かせください
お店の近くにある錦市場は、生鮮食品をはじめとして数多くの店舗が並んでいるので、今では食べ歩きなどの観光的要素も増々増加して、最近では特に外国人観光者が多く訪れる土地となっています。ここ数年の変化として外国人観光客の増加は顕著ですが、外国人向けの食材というものではなく、京都の食文化を体感して頂きたいなと思ってお迎えしています。

錦市場の様子

−お店を運営する上で大切にされていることはなんでしょうか?
京都という土地柄や、地元色といったものは常に意識しています。外観を含め、京都色といったものを強く打ち出しているお店は多くありますが、本来地元のお客様が日常的に食べている美味しいもの、季節のものなどを佃煮としてご提供したいと考えています。地元の方々に選ばれ、お土産としても喜ばれるそういったものを提供できるように意識しています。

お店の内観

−訪れたお客様にとって、どのようなお店でありたいですか?
地元の方、京都に来る時に足を運んでくださる方、皆さんの期待を裏切らない店でありたいです。今年に入ってから店舗の改装を行ったのですが、「なんか変わったね」「キレイになった?」などと本当に多くのお客様が声をかけてくださいます。創業以来約70年、本当に多くのお客様にいらして頂いているのだと、改めて実感しております。「ここのこれは美味しいで~」と他の人に薦めたくなる、ついつい話題にしたくなる商品づくりをしいていきたいなと思っています。

お店の外観

「京こんぶ 千波」その他商品

ふきのとう

竹の子昆布

くぎ煮

青山椒入り乱切り塩昆布

生姜昆布

子持ちきくらげ
  •  
  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事のプレース
京こんぶ 千波
京都府京都市中京区錦小路柳馬場西入る中魚屋町483-2
詳しい場所を確認する
スポンサーリンク