“和”の感覚を大切にする

【大阪】大阪で一番古い歴史を持つチョコレート専門店

2015/12/31 08:53

ミナミの繁華街から少し行ったところにある「エクチュアからほり『蔵』本店」は、創業30年の歴史を持ち、大阪で最も古いチョコレート専門店だ。“和”の感覚を大切にした独創的なチョコレートを作り出している。「チョコレートの奥深さを伝え、興味を持って頂ければ」という統括マネージャー・岡本佐恵美さんにお話を伺った。

創業30年、大阪で一番歴史の長いチョコレート専門店

−こちらのお店のコンセプトを教えてください

当店では、マヤ・アステカ文明で生まれ、ヨーロッパの長い歴史の中で育まれてきたチョコレートに、「和」の味覚と文化をプラスした商品をお作りしています。日本の四季を意識した豊かな感性を生かし、独創的なチョコレートをお届けしたいと考えています。お店は築200年以上の「蔵」で、なるべく手を加えずにそのまま味を生かし、喧騒を忘れ過ごして頂けるチョコレート専門店です。持ち帰りだけでなく、喫茶店も併設しています。大阪では一番古いチョコレート専門店で、創業30年になります。

築200年以上の「蔵」を改装したお店

−お店を始められたのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか?

オーナーショコラティエの植松が、一冊の美しい洋書に出会ったのがきっかけでした。チョコレートの歴史に興味を持ち調べていくと、チョコレートは固形になってまだ200年もたたない!ということがわかり、衝撃を受けたそうです。そこで、飲むチョコレートを広めたい、美味しいチョコレートを創りたい、と夫婦二人で始めました。

数千年の歴史があるチョコレートの魅力を伝えたいと始めた

−チョコレートが固形になってまだ200年もたたない、というのは知りませんでした!

マヤ・アステカ文明で、カカオの実を擂り潰した飲み物を貴族層が飲んでいたそうです。また、スペインに略奪財宝の一部として持ち帰られたカカオは、スペインからアン王女がフランスへ嫁ぐまで、貴重な飲み物としてやはり貴族に愛されていました。産業革命が起こり、固形にする技術ができるまでずっとドリンクだったのです。そんな数千年の歴史を持つチョコレートの魅力を知って頂きたいという想いも、お店を始めたひとつのきっかけだったようです。

日本人の味覚と文化を大切にしたチョコレートづくり

−貴店のチョコレートの味の特徴について教えてください

当店は、日本人の味覚と文化を大切に、チョコレートを創っています。基本的に、ミルクチョコレートで作るものが自然と多くなります。素材としては、日本の香辛料などでチャレンジすることが多いです。また、文化という面では、一粒の大きさにもこだわっています。“おもてなし”という言葉のように、お箸であつかえる大きさであることを重視しています。

−香辛料を使ったチョコレートとはどのようなものなのでしょうか?

これまで使ったことがあるのは、昆布、醤油、すだち、ゆず、七味とうがらしなどです。定番のものですと、甘納豆、しょうが、山椒なども使用しています。今年のバレンタインは、豆をテーマに「小豆・大豆・アーモンド・ピスタチオ」と和洋の豆をテーマに作りました。今後の限定商品では、御濃茶用の高級抹茶と黒蜜のプラリネ、柚子と柚子七味のプラリネを予定しています。日本人の美味しさ=マイルドな刺激を、チョコレートで表現しようとしています。

−お店で人気のチョコレートを、いくつか味や特徴とともに紹介して頂けますか?

喫茶店では、チョコレートドリンクを召し上がって頂きたいですね。ホットならダークで、アイスならミルクをおすすめします。喫茶のケーキでは、「テオブロマケーキ」が人気です。「テオブロマケーキ」は、チョコレートスポンジ3層の間にミルクチョコレートにコアントローで風味づけしたガナシュを挟み、コーティングしたシンプルなチョコレートケーキです。テイクアウトでは、生チョコレートと塩チョコレートが安定して人気です。生チョコレートはミルクチョコをベースにしています。塩チョコレートは板チョコに室戸の塩を手作業で振りかけて作っています。

室戸の塩を使用した塩チョコレート

−お店でぜひ味わってほしいというメニューはありますか

先ほどご紹介した、チョコレートドリンクと「テオブロマケーキ」はぜひ召し上がって頂きたいです。30年間オープン当時のままのレシピで、今もかわらない味を保っています。ご来店される方はチョコレート好きな方が多いので、チョコレートドリンクとチョコレートケーキをセットでお召し上がりになられる方も多いです。ホットでドリンクを飲まれる際は、オリジナルのチョコレートカップをお楽しみ頂きたいと思います。お客様からは、このチョコレートカップを欲しいとお申し出て頂くこともあります。

併設の喫茶店では、チョコレートドリンクを専用カップで味わいたい

ノスタルジックな空間で感じる、奥深いチョコレートの魅力

−お店の雰囲気について教えてください

建物は、先ほどお話したようにもともとは蔵で、大阪府有形文化財に認定を受けた江戸後期建築物です。使えるものは残して…ということで、ノスタルジックな空間となっています。古材と使用感が与えてくれる心地良さを重視し、椅子もアンティークのものを使い、布張りの椅子も布を張り替えながら使用し続けています。天井から吊るされたライトは、イカ釣り漁船で使用している大きな裸電球です。

−お店を運営する上で大切にされていることはなんですか?

カフェではなく、専門店であるということをスタッフに伝えています。お客様に合うチョコレートやメニューをご説明できること、お喜び頂ける商品をご提案できる、チョコレートを通してお客様と意思疎通できることを目指しています。美味しいものしか作らない、売らない、というスタッフ一丸のポリシーのもと、専門店としてのサービス提供を心がけています。

−岡本さんにとって、チョコレートの魅力とは何でしょうか?

なんと言っても、美味しさです。そして、数千年に及ぶ時代ごとの多種多様な味や見た目など、子どものおやつでは終わらない大人が楽しめる奥深い食材であると思っています。お客様にも、スタッフと会話を楽しみながらチョコレートに興味を持って頂けたら幸いです。

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