【京都】伝統工芸の“京扇子”を 新感覚で提案する 祇園の扇子専門店

2015/06/29 16:17

京都にある「舞扇堂祇園店」は、華やかで美しい“京扇子”の伝統的な技法を引き継ぎながらも、現代人のライフスタイルに合わせたコンセプトを加味することで、“お気に入りの小物”として普段使いをしたくなるような扇子を発信するユニークな扇子専門店だ。夏の風物詩でもある“扇子”をはじめ、“飾り扇子”や“舞扇子”など、様々な扇子が並ぶ同店の店長である山内さんにインタビューした。

伝統の手法と現代のライフスタイルを合わせた新感覚の“京扇子”

−お店のコンセプトを教えてください
伝統の手法を引き継ぎながらも、現代のライフスタイルに合うように、新感覚の扇子を提案し続けているほか、季節に合わせた和雑貨も取り揃えております。別料金となりますが、その場で扇子にお名前をお入れすることも可能です。2階では“京扇子絵付け体験”も行っております。

扇子の名入れも可能

−「京扇子」とは、他の扇子と比べてどんな特徴があるのですか
日本にある扇子の代表的なものとして、“江戸扇子”があります。全ての工程を殆ど1人で作る江戸扇子に比べ、京扇子はその形からなぞらえて八十八工程ございます。その工程を分業制にて行う為、一つ一つの工程が洗練されていると言われています。

−お店で取り扱われている扇子の種類についてお聞かせください
当店では、夏に扇ぐ扇子以外にも、“飾り扇子”や“舞扇子”“お茶席扇”などを取り揃えております。床の間や玄関に飾る為の“飾り扇子”は、外国人の方が自分用やお土産用として良くご購入されています。最近では、片面に桜、反対側の片面に紅葉などの両面の扇子が人気があります。日本舞踊に使う“舞扇”は、丈夫に使ってもらえるように、重りが骨に入っていて、骨と扇面が糸でかがっています。お茶の作法で使う“お茶席扇子”は、閉じたまま相手との間に置いて、相手を敬うという意味があります。

床の間や玄関に飾る為の“飾り扇子”

−「伝統の手法を引き継ぎながらも、現代のライフスタイルに合うような新感覚の扇子」とは、どういったものなのでしょうか
布製の扇子を多く使用し、流行色や柄を積極的に取り入れ、刺繍をしたり、ラメを入れたりすることで、バッグや傘や財布と同じように“お気に入りの”ファッション小物として使っていただけるようなデザインを取り揃えています。お名前を入れることが出来るので、母の日や父の日・敬老の日を始め、末広がりな形からは結婚式の引き出物でも重宝されるのではないかと思います。

刺繍した扇子

ファッション小物としても使えるようなデザイン

京扇子絵付け体験や、名入りで作る“オリジナルの扇子”

−「京扇子絵付け体験」とは、どのような工程で行われるのですか
「お仕立て本格タイプ」は、下書きを描く→扇面紙を上に乗せると下書きの絵が写る→絵の具で扇面紙に着色→2ヵ月後、職人が仕立てた後に発送といった工程です。一方「簡易タイプ」ですと、ほとんど出来上がっている扇子の要の部分を抜いたものに下書きなしで着色し、スタッフが要を打ちます。

「京扇子絵付け体験」の様子

−“何かを工夫したことでお客様に喜ばれた”といった、お客様に関するエピソードがあればお聞かせください
「紙や布の部分が長いものよりも、短い扇子の方が風が来る」ということを出来るだけ詳しくご説明するように工夫しています。初めてお聞きになられた方は「信じられない」という表情をされますが、サンプルを扇いでいただくとご納得されます。また、その場でお名前をお入れすることが出来るので、特別な贈り物用としても喜ばれています。「10年前に修学旅行で京都に来た時に、クラスみんなで京扇子絵付け体験をしたのを覚えていて…」と大人になったお客様が訪れてきて下さり、お扇子にお名前を入れてお買い求め頂いた時はとても嬉しかったです!

紙や布の部分の短い扇子

−来店したお客様に、お店でどんな体験をしてもらいたいと考えていますか
京都でお買いものをする中で、伝統工芸品である扇子の知識を深めると共に、京都から帰った後でもお気に入りの扇子を持って、ふとした時に京都の楽しい思い出を蘇えらせていただけたらと思っています。また、“京扇子絵付け体験”の他、冬季限定で“ふすま紙ブックカバー絵付け体験”もはじめました。こちらは、下書き用紙に図案を描いた後、ペンで本番のブックカバーに色を塗っていただく体験が出来ます。

季節感にこだわった“和雑貨”も充実

−お店で取り扱っている商品の中で“ちょっと変わった面白い扇子”があれば教えてください
モノトーンで楽譜のデザインがされていたり、ピアノの鍵盤がデザインしているものは、扇子のイメージとはちょっとかけ離れていてなかなか面白いと思います。また、扇面に猫の刺繍を施し、骨も猫の形がしてあり、持ち手はニクキュウの形をした扇子があるのですが、こちらも可愛らしくてとてもユニークだと思います。

扇面に猫の刺繍を施し、骨も猫の形の扇子(右側)

−扇子以外には、どんな商品を取り扱っているのですか
季節に合わせた雑貨を中心に、様々な「和」のアイテムがございます。商品の内容は毎年変わりますが、例をあげますと、春は“ハンカチ”“お花のブックマーカー”“清水焼”など、夏には“うちわ”“あぶらとり紙”“さわると冷たいタオル”など、秋には“ふすま紙ブックカバー”“老眼鏡”など、冬には“お箸”“お茶缶”“干支の置物”などがございます。

−お客さんはどのような方が多いでしょうか
女性がやや多く、年齢は修学旅行生から80代まで幅広いですが、中心は50代女性だと思います。八坂神社の正面の商店街に位置し、舞妓さんや芸子さんがよく通る花見小路や白川通りも近くにございますので、お買いものだけでなく、観光としてもお楽しみいただけるエリアです。

−これから初めてお店を利用してみたいと思っている方に伝えたいことはありますか
明るい店内で、季節ごとに楽しんで頂けるよう、また伝統工芸品である扇子を普段から使いやすくお持ち頂けるような雰囲気作りを心掛けています。扇子について詳しい方は少数です。分からないことがあれば、スタッフがお答えしますので、お気軽にお越しいただければと思います。

「京扇子調進所 舞扇堂祇園店」お店外観

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この記事のプレース
京扇子調進所 舞扇堂祇園店
京都府京都市東山区祇園町南側579番地
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