【京都】家具を買うのではなく、“共に創る”体験をしてほしい

2015/08/06 17:19

長年住んだ家や土地に愛着があるように、長年使ってきた家具にも愛着は湧くものだ。だからこそ新しい家具を買うときは納得のいくものがほしい。これから何年も共に暮らすかもしれない。昔、家具街と呼ばれた夷川通りの一本南に「共創」というテーマで仕事をしている家具店がある。自社工房を持ち、リメイクも引き受けるお店だ。客の声に真摯に耳を傾け、“共に”納得のいく家具を“創る”、その柔軟な姿勢には家具の数だけストーリーがあった。「finger marks」ブランドマネージャーの小田嶋久美子さんにインタビューした。

人にずっと使われる、手垢がつくほど大切にできる家具を

−はじめに、お店について簡単に紹介をお願いします

職人自ら接客する家具店で、細かなご要望にまで柔軟に対応できます。自社工房を持ち、ワンストップで行っていますので暮らし方に対して様々な選択肢をご用意できます。また、家具修理職人が作った「直して使い続けられる上質な家具」オリジナル家具の販売のほか、長年愛用されたきた上質なUSED家具も取り扱っております。お客様のライフスタイルの変化に柔軟に対応できるよう当店でお売りした家具の引取や買取、リメイクにも力を入れています。

−お店を始めた背景を教えてください

コンセプトは「いいもの、ずっと」。店名のfinger marksとは「手垢」の意味。手垢がつくほど大切にしていただける家具を生み出したい、また手垢がつくほど大切にされてきた家具にもう一度命を吹き込みたいという想いを込めました。USED家具販売からスタートし、中古家具をリペア販売。そのうちに家具修理そのものにニーズがあることが分かり、同所で「家具クリニック」を併設しました。そのノウハウを現在のオリジナル家具作りに生かしています。

−お店で販売されている家具の特徴であったり、他店とは違う点はありますでしょうか?

他店様との一番の違いは「直せるものである、つまり未来のことを考えて作られていること、そしてそのサポートが充実していること」です。購入時にはあまりどなたも積極的には考えられてないことだと思うのですが家具も毎日使い続けるうちに傷ついたり壊れたりします。またライフスタイルの変化により不便が生じることもあります。それらに修理・買取・レンタル・リメイク等様々な方法でお客様に何年たっても満足してお使いいただけるようアフターサービスをさせていただけることが自社工房に職人を持ち職人自らも接客をする、私たちの店の強みです。

家具を作る、想いを形にする作業を体験してほしい

−来店したお客様に、お店でどのような体験をしてもらいたいですか?

家具を“あるモノ”の中から選ぶのではなく、“作る”という体験を味わっていただきたいです。ご自分の身長に合わせて椅子の脚をカットしたり、テーブルの樹種や塗装方法を選んだり。より使いやすく、ご自身の愛着が持てるものに仕上げたいと思っています。

−家具のリメイクにも力を入れているそうですが、何か実例があれば教えてください

腰を悪くした高齢のお母さまへベッドを購入する代わりに、長年使っていた「盆ダンス」を処分しなければいけないと困っている方がいました。しかし、母の嫁入り道具で思い出があるため処分は避けたい。依頼者様のご自宅を拝見したところ白を基調としたアンティークなお部屋でした。そこで、圧迫感のある茶色のタンスの背丈を低くし、塗り替え、ご自宅のインテリアに合うように猫足をつけリメイク。見た目はがらりと代わりましたが、触れたり扉の音、木肌の感触が確かに当時のままで感激しましたとの手紙をいただきました。

−お店で人気の商品、ちょっと変わった面白い商品がありますか?

「vineダイニングテーブル」というお酢で染めた商品があります。実はお客様のご要望の中から生まれた、お客様と共に作った商品です。ビンテージの風合いが味のテーブルですが、黒染めしようという職人のアイデアからスタート。なぜお酢かと言いますと、黒染めの塗装の原料が本を辿るとお酢なんです。木に塗ると黒っぽい色になりますが、これは木に含まれるタンニンが反応し塗るのではなく表面の色自体が変色するのです。塗り重ね、薄く削る作業を繰り返し、木目を生かした独特の透け感を生んでいます。サイズオーダーが可能で人気の商品です。

お酢で塗り重ね、薄く削る作業を繰り返す

木目を生かした独特の透け感が生まれる

ビンテージの風合いは、テーブルの並ぶ食事の色を引き立たせる。

お客様の声からしか生まれない家具がある

−お店の運営で大切にしていることはありますか?

お一人おひとりのお客様とたくさんお話をして、「共に創る」ことです。リメイクもそうですが、以前、新居に合うダイニングテーブルをお探しのお客様がいました。様々な家具店で検討していたようですが、イメージ通りのものが見つからなかったそうです。ちょうどその時、工房で完成間近だったオリジナルチェアをお出しすると、座り心地・デザインそして手仕事の臨場感を非常に気に行ってくださりました。アームの取り外しなど柔軟な対応にも喜んでいただけ、共に創る家具づくりが大事なのだと感じています。

−これから初めてお店を利用してみたいと思っている方に伝えたいことはありますか?

座り心地や無垢材の滑らかさなど、職人のこだわりを是非お店で体感してください。お店に陳列している家具は一例に過ぎません。「ここがもう少しこうならいいのに」「もうちょっとこういうのはないの?」といったお客様との会話から、肩の力を入れずとも世界に一つだけのオーダー家具は自然と生まれていきます。お店には職人が常駐しておりますので、家具に関する素朴や「なんでこんな高いの?」など、どんな疑問もお気軽にぶつけていただければ幸いです。

「finger marks」職人さん

−最後に、店内の様子やお店の立地について教えてください

北欧50年代をデザインソースにした商品開発および商品ラインナップになっています。無垢材のダイニングテーブル・ダイニングチェアをメインに取り扱っており、優しい木のあたたかい雰囲気に満たされています。立地は京都御所の南。繁華街の四条河原町からは一歩離れた文化的な地域です。古くから家具屋街と呼ばれた「夷川通」の一本南に位置する二条通です。

  •  
  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事のプレース
finger marks
京都府京都市中京区二条通高倉西入ル松屋町58-2
詳しい場所を確認する
スポンサーリンク