【京都】明治8年創業、旬の素材にこだわる京都の和菓子屋さん

2015/06/26 09:33

今から140年前、明治8年(1875年)に創業した京都の「鳴海餅(ナルミモチ)本店」は、餅・赤飯・和生菓子を製造及び販売する老舗の和菓子屋だ。「様々な歴史を背景に守られ続けてきた“京の食文化”の魅力を、季節感あふれる和菓子を通じて発信していきたい」と語る代表取締役の方に、お話を伺った。

地域の食文化を守り続ける、京都の和菓子屋さん

−お店のコンセプトを教えてください
明治8年創業の餅・赤飯・和生菓子の製造小売り店です。もち米は佐賀県産ヒヨクモチという品種、小豆は丹波大納言小豆を用い、栗は丹波栗を使用しています。旬の素材に頑なにこだわり、四季折々の菓子を通じて、京都に根差し京都の四季折々の歳時記を大切に京の食文化を発信して参ります。

−お店を始めた背景があれば教えてください
お客様からもち米をお預かりして餅に加工してお渡しする商売から始まります。大正元年には大正天皇の御即位式の膳部に当店の「白むし」のご用命をいただきました。その後、京都で餅つき機第一号を完成、栗赤飯を京都で初めて販売するなど、菓子材料の流通の安定を背景に四季折々の菓子を京都の歳時記に沿って販売するようになりました。大東亜戦争中は国策による強制廃業がありましたが昭和28年復興開店し、現在に至ります。

−お客さんはどのような方が多いでしょうか
以前は50代60代の女性が圧倒的でしたが、最近は男性も随分多くなりました。お店の北には清明神社、東に京都御苑、南に二条城、西に聚楽第跡地があります。当店は地域密着なのでご近所の方が大半ですが、お車でご来店して下さる方もおられます。他府県ナンバーも多く見かけるようになりました。

旬の素材を使ったお菓子で、季節の移り変わりを感じて欲しい

−来店したお客様に、お店でどんな体験をしてもらいたいと考えていますか
取扱い商品は季節の移り変わりとともに毎月変わります。四季折々の移り変わりの中で、旬の素材があり、また見た目にも四季がしつらえられていることが大切だと思います。春には「桜餅」、夏には「水無月」、秋なら「栗餅」冬なら「いちご大福」など、お菓子を通じて四季を感じていただれば幸いです。

季節を感じる「桜餅」

−お店で人気の商品、少し変わった面白い商品などがあれば教えてください
いちご大福は「つぶあん」が多く見られますが、当方は「白あん」を使用しております。この「白あん」というのが意外と少ないようで、お客様にもご好評をいただいております。一番変わっているものは、やはり「おはぎのデコレーション」ではないかと思います。

"白あん"を使用した「いちご大福」

−京都で初めて栗赤飯を販売することになったきっかけは、どんなことだったのでしょうか
三代目当主が、「赤飯に合う素材が何かないか」と検討し、試行錯誤を経た結果、丹波栗を用いた「栗赤飯」を考案するに至りました。そして、記念すべき大正13年9月18日午前7時に、京都で初めての「栗赤飯」の売り出しを開始いたしました。

お客様の声から生まれた“おはぎのデコレーション”

−“お客様に喜んでもらうために何かを工夫された”といったエピソードがあれば教えてください
ある日、お客様が「祖母のお誕生日をケーキではなく和菓子でお祝いしたい」とおっしゃいまして生まれたのが「おはぎのデコレーション」です。もち米とつぶあんを重ねて再度つぶあんで覆い、白餡やイチゴ、キウイなどを盛り付けました。小麦や卵を使用してない点も好評いただいております。

お客様の声から生まれた「おはぎのデコレーション」

−これから初めてお店を利用してみたいと思っている方に伝えたいことはありますか
とにかくお気軽にご来店いただければと思います。ご利用いただけない日もありますが、お店にある商品をイートインで召し上がっていただくことも可能です。今年は創業140周年にあたるので、イートインにて昔の写真をご覧いただけます。いまの堀川通が堀川京極として一世を風靡にしていた写真や、当時の地図なども掲示しております。

イートインにて昔の写真の展示も(期間限定)

−お店の運営で大切にしていることはどんな点でしょうか
明治8年創業以来、変わらず守り続けている商品は「お餅」です。「お品は売るのではなく、お買い上げいただくこと」という気持ちを大切に、伝統の手法と味を守りつつ、同時に、“おはぎのデコレーション”などの新しい商品も皆様にお楽しみいただければと思います。また、型通りの接客ではなくお客様との世間話も交えた気取らない雰囲気の店ですので、皆様お気軽にご来店いただければと思います。そのためにも従業員が楽しく仕事をすることが大切と考えております

「鳴海餅 本店」店内の様子

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この記事のプレース
鳴海餅 本店
京都府京都市上京区下立売通堀川西入西橋詰町283番地
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